人間関係と集団組織行動の社会心理学 |
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社会心理学は,心理学と社会学を結合したハイブリッドな学問です。古くから,群集心理,偏見と差別,社会的葛藤の解決,などの研究が盛んに行われてきました。現在も,うわさ話の広がり,流行やファッションのメカニズム,ブランド選択の心理など,さまざまな集合行動が研究されています。 社会心理学では,人々の心理と行動を予測し,理解し,適切にコントロールすることを目指しています。そのためには,人間行動の原点である心のしくみと働きを理解することが出発点となります。 人と人との関係(人間関係)は,ネットワークコンピュータと似ています。情報を受けとり,記憶と照らし合わせて,発信しているからです。情報のやりとりを,社会心理学では対人コミュニケーションと呼んでいます(対人コミュニケーションは,言語コミュニケーションと非言語コミュニケーションに大別されます)。 人間関係の基本は,自分と相手の2者関係ですから,一見,単純そうに見えますが,実際には極めて複雑です。たとえば,いじめや差別や戦争は歪んだ人間関係の現れといえるでしょう。日常生活でも仕事でも,ほかの人たちとの良好な人間関係を形成し維持できることは,人生の大きな喜びにつながります。そのためには,相手の考えや気持ちを知ると同時に,自分のことも理解しておくことが重要です。さらに,相手と自分のコミュニケーションのあり方,つまり社会的相互作用が決定的役割を果たします。 部活,サークル,生徒会などの活動をしたことがある人は,既に気がついていると思いますが,集団には,個人単位では見えにくいダイナミックな性質(たとえば,目標の共有,モラールやモチベーション,対立と協調,集団内の秩序と掟,同調行動,権力争いなど)があります。会社や自治体のような組織では,仕事の内容に応じて,多数の集団(部門・部署やプロジェクトチーム)があります。組織のなかの人々の心理と行動も,社会心理学の重要なテーマです。 以上のように,この社会心理学の専門ゼミでは,理論とデータにもとづき,(a)どのような人々が,(b)どのような社会的状況で,(c)どのような心理状態になり,(d)どのような反応や行為を示すか,ということを学んでいきます。
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酒井 春樹 (さかい はるき) |
【出身・経歴】 1948年1月福井県生まれ。1966年東京大学入学。在学中,東大闘争に直面し,個人と集団の力学を肌で経験。また,膝関節手術のため少し歩行困難になったこともあって,人間と社会の問題を心理学的に解明したいと思い,同大学大学院人文科学研究科心理学専門課程に進学(社会心理学専攻)。同大学院博士課程修了後,東洋大学社会学部非常勤講師などを経て,1984年札幌大学教養部(当時)助教授として赴任。93年同教授。1995年経営学部に移籍し,同年4月より96年3月まで,プリンストン大学客員特別研究員,メリーランド大学カレッジパーク校客員教授,カリフォルニア大学ロサンゼルス校客員研究員として,1年間留学研修しました。 【趣味】 将棋,マージャン,音楽鑑賞(ポップ・ロック系)など。 【研究テーマ】 社会心理学研究法,社会的認知と感情と行動の構造的ダイナミックス。最近では,2005年7月のヨーロッパ心理学会で,同調行動の研究法に関する実証的研究を発表しました。 【社会活動,社会貢献,対外活動など】 所属学会:アジア社会心理学会,日本心理学会,日本社会心理学会,日本グループ・ダイナミックス学会,他 著書:『Cognitive Dissonance: Progress on a Pivotal Theory in Social Psychology』(共著,アメリカ心理学会,1999),『現代心理学[理論]事典』(共著,朝倉書店,2001),他 2003年4月より札幌市立西岡中学校学校評議員 2006年3月24日北海道テレビ(HTB)『おはよう遠藤商店』からの録画取材,3月27日放送 |
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