マーケティング戦略の理論と実践
   
 
 「マーケティング戦略の理論と実践」といっても,その範囲が非常に広いので,今年は,特に,下記の3つのテーマについて検討したいと考えています。もちろん,専門ゼミナールの主役はあくまでも,ゼミ生であり,ゼミ生と相談して決めたいと思います。したがって,下記の3つのテーマの中で,1つでも興味をもっている学生諸君は,積極的に応募してください。また,商業高校出身で,高校時代に,すでに,「マーケティング」や「流通経済」を勉強して,マーケティングに興味をもっている学生も応募してください。

1.食品を中心とした“商品”や“サービス”のマーケティング戦略
2.それらの商品やサービスを売る流通企業のマーケティング戦略
3.メーカーのマーケティング戦略



 経営学部では,例年,6月中旬に専門ゼミナールの募集を行い,7月初旬頃には合格者が確定します。山本ゼミナールでは,例年,夏休みに入る前に,サブ・ゼミを実施しますので,合格者は,必ず,出席してください。

1.夏休みの課題
 専門ゼミナールに応募して,マーケティングのゼミに合格したのですから,50日間もある夏休みを有効的に活用しましょう。テーマは,マーケティング的なものの考え方or発想の仕方の原点をみにつけてもらうことです。つまり,商品やサービスを買ったり,使用したり,利用する,買い手,or消費者の立場に立って,いま市場にあふれている商品やサービスについて,考えてみる。さらに,それらの商品やサービスを売っている様々な小売業者,例えば,デパート,スーパー,生協,専門店,コンビニ,ホームセンター,ドラッグストア,ディスカウントストア,ショッピングセンター,百円ショップ等の様々な小売業態について,これらのお店を利用する消費者の立場にたってアレコレ思案することが,夏休みの課題であります。そして,それを小リポートにまとめ,秋学期,専門ゼミナールTがスタートしたときに,ゼミ生と議論しましょう。そこから,いろいろな新しい発見があることでしょう。

2.専門ゼミナールIの内容と課題
 “マーケティング全般にわたっての基礎知識の理解”に重点をおきますので,まずは,「マーケティング戦略」に関する適切な文献の輪読からスタートします。その基本的な課題は,マーケティングの専門書がを確実に読みこなす基本的な能力を養成するべく訓練することにあります。
 それと同時に,夏休み中の体験をベースに,ゼミ生一人一人が興味をもった具体的な商品やサービス,ならびに,それらを販売する小売り機関について,各自,自分で調べて報告してもらいます。そして,レジュメを作成したり,発表したり,議論するなど,ゼミナール活動の基本をきちんとマスターすることが大切です。

3.専門ゼミナールII・IIIの内容と課題
 専門ゼミナールTでゼミナール活動の基本を習得したならば,学生諸君が自ら興味をもっているテーマ別に,グループを組織し,より専門的に勉強することになります。具体的には,

1.食品を中心とした商品やサービスのマーケティング・グループ
2.流通企業のマーケティング・グループ
3.メーカーのマーケティング・グループ


と言う3つのグループを念頭に入れていますが,もちろん,この3つのテーマに限定されるわけではありません。ゼミ生,各自が,それぞれ興味をもっているテーマにそって勉強します。春学期では重要な文献をレビューし,秋学期では,それをベースにより実践的な課題にチャレンジしますし,実際にリサーチをしたり,会社に調査にいくこともやりたいと思います。
 それと同時に,北海道では,例年,2月に入って合同企業説明会が開かれますので,それを目標に3年生の時から,絶えず,就職についての具体的な問題意識を持つことが大切です。本学で開催される就職ガイダンスや就職関連の講座に積極的に参加することが大切ですし,ゼミの授業の中でも,就職問題をとりあげていきます。

4.専門ゼミナールIV・Vの内容と課題
 言うまでもなく就職とゼミ論の作成というきわめて重要な課題があるので,できるだけ早くゼミ論のテーマを決定することが大切です(3年次末までにテーマを決めることが望ましい)。2月から就職活動が本格的にスタートしますので,やはり,春学期は就職活動に重点がおかれますので,ゼミ活動も就職情報の交換,業界研究とその報告などがテーマになります。そして,秋学期から本格的なゼミ論の個別研究発表をやり,ゼミ論完成へと指導します。


1.専門ゼミナールで「マーケティング」を勉強しているということで,小売業や卸売業等の流通産業やサービス産業に対する就職に強かったというのが,これまでの山本ゼミのセールスポイントでした。少なくとも,マーケティング・ゼミに合格さえすれば,流通業に対する就職については,ほとんど心配することはありませんでした。要するに,勉強すればするほど,ゼミで意欲的に活動すればするほど,いわゆるランクの高い流通企業(この場合,ランクの高い企業とは,日本経済新聞社が毎年実施している小売業・卸売業等のランキング)に就職出来たからです。

2.ところが,ここ数年来,それが変わってきました。北海道を代表する流通企業のひとつである「ホーマック」に内定を頂いたゼミ生が,自信がない,ということで相談に来ました。つまり,自分には,「ホーマック」のような企業は大企業すぎるから,もっと,小規模な企業に就職したい,そのほうが自分の能力を活かせるということで,実際に,そのゼミ生は,売上高300億円前後の企業に就職しました。

3.それと同時に,不況が長引いたこともあってか,ゼミ生の就職に対する意識の大幅な変化がみられるようになりました。「何が何でも,就職する」という意欲が薄れつつあることも確かなことです。そのようなわけで,“就職に強い”というわたしのゼミもいささか停滞気味の状況がありましたが,やはり,やる気のあるゼミ生は,きちんと,決まりますし,平成18年度3月卒業のゼミ生は,久しぶりに,全員,就職決定です。




山本 敦
(やまもと あつし)

 昭和17年11月10日小樽市に生まれ,高校まで小樽で生活し,その後,早稲田大学商学部ならびに大学院商学研究科で学び,昭和51年4月に本学に赴任し,生家のある小樽から通勤しております。
 専門はマーケティング。担当科目はマーケティング論A・B,マーケティング管理論A・B。現在の研究テーマは食品のマーケティング戦略,ソーシャル・マーケティング,関係性マーケティング,サービス・マーケティングなど。
 趣味は,映画鑑賞,ただし,残念ながら,このところ5年ぐらいは映画館に行ったことは無く,ビデオで鑑賞しています。
 その他,最近は,運動不足をカバーするためにも出来るだけ歩くようにしているので,暇を見つけては,小樽の港・運河・公園などを散策しつつ,カメラ撮影をしていますが,腕前の程は,なかなか上達しません。