パゴーヂンПогодин, М. Т. (1800-75)

 

 素朴な農民大衆の郷土愛、拝外主義を汎スラヴ主義に理論化した人。ほかのスラヴ派の思想家がどちらかというと無政府主義的な色彩を帯びていたのに比べ、この人は文部大臣ウヴァーロフによる「専制・正教・国民性」という官許国民性イデオロギーを擁護し、ロシア帝国の対外覇権を唱道した。

 「ピョートル以前のロシア」への回帰を掲げつつ、その実、国家権力に跪拝したわけ。

 住んでいた家がノヴォデーヴィッチが原にあったため(パゴージン通りに現存)、墓所も当然のことのようにノヴォデーヴィッチ修道院。

 

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