ソロヴィヨフ親子С. М. и В. С. Соловьев (1820-79, 1853-1900)

　父、セルゲイは29巻本の『古代からのロシア史』を著すなど、19世紀を代表する歴史学者。モスクワ大学の学長をしたこともある。ペテルブルク科学アカデミー会員。オーソドックスに偉かった。

　息子ヴラジーミルも哲学博士でペテルブルク大学で教鞭を執ったが、革命派の疑いをかけられて免職に。在野の思想家として思索生活にはいる。

「悪とは単に善が欠けている状態なのか、・・・それとも誘惑という手段でこの世を支配する現実的な力なのか・・・」問題の立て方がすでにマニアックである。実生活でもコックリさんにのめり込んだり魔法陣に熱中したり、あるいは「永遠の女性」を夢想する。ついでに日本についても研究していて、「この民族の運命の中に、世界史に対する重要な教示が含まれている」なんて考える。挙げ句の果てに哲学と宗教、東西両教会を統一しようなどともくろむ。

　この人、たしか蟹窪のカザン寺院のある修道院で死んだはずだが、偉い人だと認められたのか、墓所はモスクワのノヴォデーヴィッチ修道院の境内（つまり墓地ではない）。

　思想におけるロシア・ルネッサンスの先駆。「万能の哲人」ローセフもこの系統。ちなみに　　ロシア語学科のジダーノフ先生はこのローセフの秘書をしていた。

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