ギリャロフスキーВ. А. Гиляровский(1853-1935)

 

19世紀ロシアを代表するルポルタージュ作家。革命後もジャーナリストとして尊敬を集め、名著『帝政末期のモスクワ』(中公文庫に邦訳有り)を著す。

チェルヌィシェフスキーの『何をなすべきか』を読んで感動し、学業を放棄してヴォルガの船曳になったり、サーカスの曲馬師や旅芸人になって放浪したり、やりたい放題の青年時代を送った。舞台俳優としてモスクワに出てきた後、アルバイトで書いたルポルタージュが大当たり。なんといっても、メリケンサックをはめてモスクワの貧民窟や泥棒市場を取材するのだから、迫力が違う。正に今で言う突撃レポーターのハシリである。

晩年になっても勢いは衰えず、ネグリンカ川の暗渠にもぐって取材中に風邪を引き、それが元で病床に伏す。ネグリンカは当時彼が住んでいたСандуновский横町から目と鼻の先だから、気になるのもムリはないが、それにしても「年寄りの冷や水」である。

墓所はモスクワのノヴォデーヴィッチ修道院。

 

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