イリューシンС. В. Ильюшин(1894-1977)

 ソ連を代表する航空機設計者。だからエライのである。ソ連科学アカデミーの会員でもあったし、ソ連空軍の技術大将として軍部にもニラミを利かした上、ソ連労働英雄章なんか3回も受賞して政治的にも影響力を誇示している。この人抜きにソ連の空は語れないのだ。私自身、ソ連時代は東京−モスクワ便を飛ぶIL-62にはずいぶんお世話になった。尾翼の下に左右2基ずつ合計4基のジェットエンジンを並列に配置した、化け物のような機体であった。

とはいえ、このIL-62、終始、イギリスのVC-10のコピーではないか、との噂がつきまとった。このほかにもイリューシンの設計した機体には「?」モノが多いと言われる。個人的には双発ジェット戦術爆撃機IL-28のエンジン懸吊方式はナチス・ドイツのMe-262のパクリではないか、と疑っている。

墓所はモスクワのノヴォデーヴィッチ修道院。名門の墓地である。

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