キエフ КИЕВ |
その昔、ロシアが「ルーシ」と呼ばれていたころ、ルーシの中心はこのキエフだった。ドニエプル河の川岸に栄えた、現在のウクライナの首都キエフがロシアのルーツ、というわけ。キエフ大公ウラジーミル一世がルーシの国教としてキリスト教を導入したのは10世紀の末のこと。 このとき導入されたキリスト教はローマカトリックではなく、東方正教会だった。このことがロシアの文化に決定的な影響を与えた。では、その前はどうだったか、というと「異教時代」と呼ばれ、雷や風や雨といった自然神を信仰していた。生贄なども行われていたらしい。 発掘された異教時代の神様たち。なぜか博物館に入れてもらえなくて軒先で雨露をしのいでいた。 古代キエフの城壁の正面玄関の「黄金の門」。日本風に言えば「大手門」というところか。現在、城壁の部分は取り去られていて、門本体のみが残る。 キリスト教の伝道とともに修道院が発達した。洞窟に住み込んで修行をした修道士にちなんで「ペチェールスカヤ」(洞窟の)大修道院Киево-печерская лавраと呼ばれる。今でもこの丘の地下には地下墓地や礼拝堂などが残り、それを網の目のように洞窟通路が結んでいる。ろうそくの明かりを頼りに中を探検するにはかなりの度胸が必要。 同じ東方正教会でも、こちらはウクライナ正教。ロシア正教とはどこか雰囲気が違う。 コンスタンチノープルのソフィア聖堂をモデルにしたといわれる「ソフィア聖堂」Софийский собор。11世紀以来、何度も破壊と再建を繰り返して現在の姿になった。 ソフィア寺院の鐘楼。こちらは18世紀のものだから新しい。 ときの皇帝エリザベータ一世がキエフを訪問したのを記念して立てられたアンドレイ教会。美しい18世紀バロック建築だ。 独立広場。キエフは第二次世界大戦のときにドイツ軍に徹底的に破壊された。今ある町並みは戦後再建されたもの。 キエフ大学。なぜか真っ赤。 |