札幌大学 経済・経営学会



会長から一言

2004212

経済・経営学会会長

篠崎恒夫

 この組織の長を命じられてから早3年目になるに当たって、雑感を述べさせていただく。     

  はじめに確認しておきたいのは、本学における教員と学生をつなぐ唯一の組織としての経済・経営学会は、本学の学術の発展と学生の活性化という重要な役割を担わせられているということである。学会の歴史を尋ねるとき、昭和42年(1967)に経済学部、外国語学部で開学し、翌43年に経営学部が開設されているが、本学会の主幹事業である『経済と経営』の発刊は1968年であるから実に本学創設の翌年ということになる。

 今、手許の『学会会報』をひもとくと、過去の活動メニューは実に多彩・多方面であることがわかる。メニューには載っているが、実体が伴わないというのが本学会の実状であると言っても過言ではない。昨年の総会を期に、学会は名称も変わりHPも持つようになった。学会の近代化の始まりである。我々は総力を挙げて経済・経営学会の新しいあり方

を追求しなければならないのである。教員と学生の結合体としてその活動のオープン性を高め、教員と学生の積極的な参加を実現していかなければならないのである。

 その手始めとして、学会活動を担う幹事制度の見直しを試みている段階にあるので、その考え方を示させていただく。

これまでスタッフを担当別に配置し体制の立て直しをはかってきたが、ここで未整理の部分を含めていかに納得のいく合理化を図れるか考えてみたい。そこで考えなければならないのは、組織はいかなる原理で成り立っているかであるが、通常取り上げられているのは、対象で行くか、機能で行くかである。対象の原理と機能の原理である。

それを経済・経営学会に引き寄せて考えれば、ほとんどが学生を相手とする活動であるが故に、組織を対象の原理で組み立てることになる。この線で考えれば、学生対象の仕事をやるのは学生担当であるから、そこが学生相手の仕事をいっさい引き受けることになる。懸賞論文の優秀作の『会報』への掲載、入学生に対する学会の紹介などがそれである。果ては、学生協議会の開催運営もその範疇ということになる。

 このように対象論理で仕事を区切ると何でもかんでもが、論文担当に集中してしまう。たまったものではない。そこでこれまでの前提である「ほとんどが学生を相手」を見直してみる必要がある。というのは、言うまでもないことだが、本学会は何も学生だけの組織ではないということである。周知のように、我々教員も会員なのである。対象の論理で組み立てるとなると、学生対象の組織と教員対象の組織と分けなければならないというはなはだやっかいなことになる。故に、対象原理を重用することを捨てなければならないことになる。

 ここで組織の本源に立ち戻ろう。そもそもこの学会は何を目途として創設されたのかと。

何よりも札幌大学の学術振興が最大目的であり、その他の目的は下位目的と位置づけられる。それらの諸目標を達成すべくそれぞれの事業が設定されているのである。そこを支配する原理は機能の論理でなければならない。利益還元、代表、説明、勉学の動機付け等々皆これ機能の論理に従うのである。これを1991年段階の経済学会運営機構を参照しながら以下に示そう。

 総務:会員管理、渉外、広報、出版助成――主宰機能を担当し、入学生への学会紹介、法人対応、学会組織運営などを司る。

会計:出納――財産を管理し、会計情報を確実ならしめる。

編集:紀要・会報刊行――学会の発行物の統括を行う。

総務(HP):広報――インターネットによる学会内外の情報交流を盛んならしめる。

 学生:学生活動の活性化、懸賞論文――学生の学術能力増進に努める。

 研究会:研究会運営――学生および教員の研究会を助成促進せしめる。

 まだまだ、改善すべき点があろうかと思うが、今後実体に即しながら徐々に活動の幅を広げて、皆に親しまれる経済・経営学会を築いて行きたい。諸賢の叱正を待つところである。