北海道ではつかの間の暑さが去るともう日溜まりが恋しくなる。そして天気予報で霜注意報がだされると、山の紅葉は一段と深みを増してくる。思い立って、西岡公園にカメラを片手にでかけた。展望台からは今を盛りとして、山一面が錦の彩りだった。「黄金の秋」と歌われるロシアの秋をほうふつさせる。美しい中に、やがてやってくる冬の気配を感じさせる。
西岡公園は自然公園と呼ばれ、そこにあるものにはなるべく人間の手を加えないようにしている。また、ここでは北海道で観察できる鳥類の半分を見ることできるといわれる。
カメラを片手にのんびりと散策を楽しむもよし。ここで絵筆をとる愛好家は、なにも日曜日に限らない。午後のひと時、老夫婦が木々の間を語らいながら歩いている。
旧月寒25連隊が非常給水用に造ったのが、この池のはじまり。だから「西岡水源地」ともいわれる。シンボルともいえる給水塔は、いまでも公園を引き立てている。