§053 名詞の造格(単数)

①造格は、道具や手段、身分や職業を表わす格である。その他に、造格をとる動詞や前置詞の補語と結びつく。

②変化は次表の通りである。

表32の1
硬子音字
男性
主格
стол музей словарь
造格
столом музеем словарём

注)ц, ж, ч, ш, щ で終る名詞の造格は、アクセントが語幹にある場合、-ом ではなく、-ем となる。例 муж, мужа,.. мужем

表32の2
女性
主格
комната песня площадь
造格
комнатой песней площадью

注)-я で終る名詞の造格は、語尾にアクセントがある時は、-ей ではなく-ёй となる。例 семья, семьи,.. семьёй

表32の3
-мя
中性
主格
место море имя
造格
местом морем именем

Таня пишет ручкой. ターニャはペンで書いている。
Отец работает инженером. 父は技師として働いている。

③動詞 быть の不定形、過去形、未来形の後にくる名詞は造格をとる。

Я хочу быть врачом. 私は医者になりたい。
Антон был инженером. アントンは技師だった。
Антон будет инженером. アントンは技師になる。

注)現在形では主格が使われる。

Антон -- инженер. アントンは技師である。