[2000年3月23日付 朝日新聞]

ジャズに乗って卒業式
司会にはOBの落語家起用

 

 札幌大の卒業式が22日、札幌市中央区の道厚生年金会館で開かれ、大学と女子短大部、外国語専攻科の卒業生約千六百人を送り出した。

 式典には、就任一周年になる山口昌男学長のざん新なアイデアも採り入れられ、ジャズの生演奏が登場した。1978年度に経営学部を卒業した東京在住の落語家、橘家富蔵さん(44)が司会を務め、ステージ上には、学長や学部長、来賓とともに、卒業証書を受け取る各総代の学生も並んだ。

 証書は、山口学長が傍らで見守る中、各学部長が総代の学生に手渡し、「一番の思い出は何ですか」「これからの進路は?」などと問いかけ、学生が「出会いから友だちの輪が広がったのがよかった」などと、数分間やりとりする形で進んだ。

 山口学長が「入学式は緊張するものだが、卒業式は、趣向の変わったリラックスしたムードにしたいと思った。ユニークでバラエティーに富んだ活躍をしている先輩に続いてほしい」とあいさつ。「みなさんへのプレゼント」として、東京から招待したフリージャズの演奏家、立花泰彦さんらを紹介し、チェロやバイオリンを使った個性的な演奏が約十分間、披露された。

 理事の一人、外国語学部の山田隆教授は「学部長による証書授与もジャズの生演奏も、大学としては初のスタイル。卒業式の固定的なイメージは残しつつ、学生との一体感を演出する新しい要素を加えた」という。もっとも、フリージャズは前衛的すぎたのか、「あの音楽はわからなかった。周りも戸惑っていた。みんながノレる曲の方がいい」(経済学部の男性)「卒業式には合わない感じ」(同女性)と、現代っ子の卒業生たちも当惑気味の様子だった。


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