本学の創立間もないころの西岡は、見渡す限りの畑作地帯だった。夏の道路にはほこりが舞い、冬には吹雪が荒れ狂った。札幌駅から南に10キロ、月寒と真駒内にまたがる丘陵から、市内の街並みはもちろん、空気の澄んだ朝には遠く暑寒別の山並みやそれが日本海に落ちるシルエットを望むことができた。もちろん、今だって。
大学の歩みも、日々の授業も、すべてこの校舎から始まった。1号館と呼ばれる。
正門をくぐるとまっすぐ前に見えるのが中央棟。研究室や大学事務が位置している。右手には2号館があり、1号館と同じように、札幌大学の草創期を見てきた。
これは図書館2階の窓から見た風景。3つの建物を1つのファインダーに納めようとすれば、こうなる。ここから向こうまで歩けば、たぶん3分かかると思う。だめかな。
家庭では夜の団らんを迎えるころになっても、図書館は昼間とおなじく、仕事を続けている。調べものをし、読書や勉強に励む人々を迎えてくれる。
ななかまどは、七回かまどに入れられてもなお燃え尽きない、にちなんでいるらしい。真っ赤に燃えるななかまどの実は、冬のあいだ小鳥のえさになる。雪の白さと果実の赤が織りなすコントラストは、それを見たものにしか、美しさを伝えられない。君も札幌に来ないか。
キャンパスの敷地は5万坪あるという。しかも一カ所にあり、分散していない。校舎あり、大学の森あり、それらをつなぐ小道あり。見て歩けば運動不足の解消に、そして本を小脇にかかえればおつむの運動に効き目がありそうだ。