<!--This file created 99.12.24 20:18 by Claris Home Page version 2.0J--><HTML><HEAD>   <TITLE>mai25-j</TITLE>   <META NAME=GENERATOR CONTENT="Claris Home Page 2.0J">   <META HTTP-EQUIV="Content-Type" CONTENT="text/html;CHARSET=x-sjis">   <X-SAS-WINDOW TOP=42 BOTTOM=757 LEFT=4 RIGHT=534></HEAD><BODY BGCOLOR="#EEFFD7"><P><CENTER><B><FONT SIZE="+3"COLOR="#0000AF"><A NAME="アンカー"></A></FONT><FONT SIZE="+2"COLOR="#0000AF">旅の夢</FONT></B></CENTER></P><P ALIGN=RIGHT><FONT SIZE="+1">３年　森田真衣</FONT></P><P><FONT SIZE="+1">　</FONT></P><P><FONTSIZE="+1">　旅行は、万華鏡やマーブルケーキの模様のように偶発的で無責任な出会いの場だと思う。異国の街で、道に迷ったり、言葉が通じなかったり、下らない出来事で気分が盛り下がって居る時に限って、吃驚する程親切な人々や、優しげなおばあさんの笑顔に出会ったりしてしまう。そして其の度に、其れは偶然だが、必然的な出会いだったと思えるのだ。自分が此の国にやって来なければ、絶対に関わりも無く、ましてや今後もう二度と会うことも無い名も無き人との束の間の出会いであるにも拘わらず、其れは私をとても晴れやかな気分にするもので、いつでも昇天出来ると思わせるような青空みたいなものだ。</FONT></P><P><FONTSIZE="+1">　ベルギーは、今や世界のモードの発信地と呼ばれて居て、だからお洒落な若者が大勢居ると思って居たし、さらに『フランダースの犬』の面影が今でも残るような趣のある国なのだろうと思って居た。しかし、そんな幻想はそこはかとなく打ち砕かれる。古い建物は、歴史を残す、と云うよりは、昔のまま放ったらかしにしてあるだけのような古ぼけた印象に感じられ、街自体は汚らしく、晴れて居るのに、空気も澱んだ様子で、どれが本物のベルギー人なのか分からない程度に、観光客だらけだった。沢山のフラッシュが焚かれ、日本語が飛び交うノートルダム寺院で『キリスト降架』の絵を見ても、ネロやパトラッシュの気分に浸れ無かった。確かに、物語の舞台は残って居たし、ドリス・ヴァン・ノッテンら有名デザイナーの店が軒を列ねては居るのだが、私にとっては、あまり興味をそそられるものでは無かった。でも其れは、自分がガイドブックに頼り過ぎて居たせいでは無かったか。</FONT></P><P><FONTSIZE="+1">　ベルギー人が、五か国語程度なら難無くこなす、と云うのも嘘だった。店の店員で、英語を喋れる人は、ほとんど居なかったし、アントワープでは、メニューもオランダ語でしか書かれて居なかった。其れでも、私たちが片言の英語で話し掛ければ、向こうも片言の英語で返してくれる光景は微笑ましかったし、英語の苦手な店員に向かって、早口の英語で捲し立てる２人組のおばあさんには、店員も適当に受け流したりして、みんな好き勝手にやって居た。</FONT></P><P><FONTSIZE="+1">　ベルギーワッフルは、日本で売って居るのが偽物かと思う程美味しかったし、チョコレートも、“クリーク”（有名なさくらんぼのビール）も素晴らしく美味しく、現地の人は昼間から飲みまくって居た。ベルギーでは、何処の駅にも改札が無かった。検札にも来なかった。其れでもみんな切符を買って電車に乗る。そんなことを不思議にも思わない、のんびりした暮らしを続けて来た人たちによって此の国は、形作られたのだと思った。たった５日間の滞在で、ベルギーを知った気になるのは、勿論浅はかな行いであるはずだが、でも、何処にでも、其の土地土地で培われた特徴があって、みんな其れに合わせて、何とか毎日をやり過ごして居るし、観光客は何処にでも訪れて、其れによって作られた様々な出来事も現地の人たちにとっては、日常の些細なひとコマでしか無い。世界は広いようで、狭いのだと思う。そして、そんなことを考えながら、帰国して、直ぐ駆け込んだ店で食べた日本の味は、格別の美味しさだった。</FONT></P><P><CENTER><FONT SIZE="+1"><HR></FONT><FONTSIZE="+2"><A HREF="../25english/25topics.html#アンカー5046">Topics</A></FONT><FONTSIZE="+2"><BR></FONT><FONT SIZE="+2"><A HREF="../index.html">Index</A></FONT></CENTER></P></BODY></HTML>