<!--This file created 01.4.24 2:07 PM by Claris Home Page version 2.0J--><HTML><HEAD>   <TITLE>sawano28j</TITLE>   <META NAME=GENERATOR CONTENT="Claris Home Page 2.0J">   <META HTTP-EQUIV="Content-Type" CONTENT="text/html;CHARSET=x-sjis">   <X-SAS-WINDOW TOP=42 BOTTOM=613 LEFT=4 RIGHT=534></HEAD><BODY BGCOLOR="#FFFFFF"><P><CENTER><B><FONT SIZE="+2" COLOR="#187534">少年法改正</FONT></B></CENTER></P><P ALIGN=RIGHT>2-C　澤野　大吾</P><P>　11月26日に少年法改正法案法案が国会で可決された。この法案の主な内容は、（1）少年審判に検察官を関与させること、（2）刑事処分適応年令を現在の１６歳から１４歳に引き下げること、（3）殺人、障害致死その他の故意の犯罪を犯した16歳以上の少年には原則として刑事処分を適用することである。これらの内容は現在の少年法が掲げている教育主義を刑罰主義へと変えるものである。</P><P>　現在の日本の少年法は教育主義つまり、犯罪を犯した少年を教育、更正させていくことを第一にしている。この法案の可決は、その教育主義自体を根本から揺るがすことになる。日本の少年院仮退院者の再犯率は24,3％である。この数字が大きいか少ないかは刑務所出所者の48,2％という再犯率と比較すれば明らかだろう。これほどまでに少年の教育、更正に貢献している現在の家庭裁判所、少年院といった機関を軽視し、刑務所や普通裁判所を重要視する今回の改正法案の可決は、正に見当違いである。</P><P>　果たして14歳の少年が刑事裁判を受けることができるだろうか。14歳という新聞を読んでも知らない言葉がたくさんある年で法廷に立ち、検察官や裁判官の質問に答え、また自分の言いたい事を的確に伝える事はかなり困難だろう。その場で少年が孤立するような事があれば、それはもう裁判ではなく、大人達のいがみ合いでしかない。さらにそこで冤罪が発生する可能性も否定はできない。</P><P>　一方で現在の少年法では、被害者側に対する対処という点で、明らかに欠点が存在していた。多くの少年犯罪の被害者または遺族が今の少年法に対して一番求めている事は、事実関係の把握である。どんな犯罪がそこで行われ、誰がその犯罪に対する責任があるのかを、被害者、または遺族側に伝える必要あったのだ。特に死亡事件の場合被害者はすでにその場所にいないわけだから。</P><P>　新しい少年法では、十分とは言い難いが、以前のそれに比べて被害者側への配慮が見られる。家庭裁判所は、被害者及び遺族からの意見陳述がある場合、それを聴取しなければならないことと、被害者側にその裁判の結果を通知するというものだ。しかし被害者側に認められているのは、その2つだけであり、裁判の過程の公開などは一切認められていない。この問題については今後も慎重な議論が要求されることだろう。</P><P>　少年犯罪被害当事者遺族の会が国会に提出した意見書には「人として、一番大切なことは自分のしたことに対して責任を負い、果たすことだと思います。今まではその事が、全く抜け落ちていたのです。それが、今の少年法の目的である、健全な育成の本当の意味での始まりだと思います。」と書いてある。確かに今の少年法では被害者や遺族に対する情報公開は不十分で、加害者の少年が直接遺族に謝罪するなどということはほとんどない。遺族は決して加害者を刑罰で処分することには賛成しているわけではないが、彼等が、自分のした事に対して責任をとれるように目覚めることが、残された人達の願いである。</P><P>　しかし犯罪を犯した少年に、その責任を自覚させ、被害者の苦しみを理解させることは刑法では不可能である。何故なら近年の少年犯罪では、加害者も被害者的な一面を持っていることが多いからだ。今年佐賀県で起きたバスジャック事件を例にとっても、事件を起こした少年は中学時代に残酷ないじめを受けており、そのせいで自分に対する自信を喪失し、他人に対し不信感を抱き、さらには自分は生きている価値がないとまで決めつけて、犯行に及んだ。そのような心に傷を負った少年達に自分のした事の重大さを自覚させ、そして被害者に上辺だけの言葉ではなく、心の底からの謝罪させるためには刑法ではなく、法以前の「はぐくみ」が必要なのであり、その意味では今後改正、施行される少年法ですら不十分である。</P><P>　しかし少年犯罪とはいえそのあまりにも残酷で、思慮のないやり方に社会が脅えていることも事実である。今回の可決は、国民の多くが、国の将来に危機感を持ったことの表れである。だからといって「少年だからこの程度ですむだろう」という甘えは許されなくなるので、少年も犯罪を犯す前に考えてくれるだろうか。これで駄目なら、教育基本法の改正など、次々と新しい改革が行われていくだろう。こういった過剰な議論、変革をさけるためにも、少年達にこそこの新しい法律の意図を、しっかりと理解して欲しいところである。</P><P>　刑罰によって、少年犯罪の凶悪化を食い止めようとするのではなく、今社会そのものに対して改革が求められている。子供は社会の病気を写す鏡なのだから、政治家の違法行為や、警察のモラルの低下など子どもたちを取り巻く環境を変えて行かねばならない。手本のない世の中では子供の健全な育成は不可能であり、それが少年犯罪の凶悪化を食い止める一番の方法である。これは決して一部の法学者や政治家の意見だけが決める問題ではない。少年院等の現場の意見や、教育機関や家庭など少年たちも含めた国民全体の声を反映させなければ、本当に必要な少年法は、いつまでたっても完成しないのである。</P><P><CENTER><FONT COLOR="#000000"><HR></FONT><FONTCOLOR="#000000"><A HREF="../28english/sawano28e.html">English</A></FONT></CENTER></P><P><CENTER><FONTCOLOR="#000000"><A HREF="../28english/28topics">topics</A></FONT></CENTER></P><P><CENTER><FONTCOLOR="#000000"><A HREF="../index.html">index</A></FONT></CENTER></P><P>　</P><P>　</P></BODY></HTML>