<!--This file created 01.4.24 2:28 PM by Claris Home Page version 2.0J--><HTML><HEAD>   <TITLE>shibata28j</TITLE>   <META NAME=GENERATOR CONTENT="Claris Home Page 2.0J">   <META HTTP-EQUIV="Content-Type" CONTENT="text/html;CHARSET=x-sjis">   <X-SAS-WINDOW TOP=42 BOTTOM=757 LEFT=4 RIGHT=534></HEAD><BODY BGCOLOR="#FFFFFF"><P><CENTER><B><FONT SIZE="+2"COLOR="#EF5706">不屈の政治家にみならえ</FONT></B></CENTER></P><P ALIGN=RIGHT>３年　柴田雅裕</P><P>　20世紀最後のノーベル平和賞受賞者に韓国の金大中大統領が決まった。受賞の理由としては、自国である韓国、ミャンマーの民主化を促進し、アジア地域の人権を擁護した功績が認められたこと、さらには今年６月に北朝鮮民主主義人民共和国の金正日総書記との歴史的な首脳会談を実現して、朝鮮半島の緊張緩和を進めた実績が評価されたことにある。韓国からノーベル平和賞受賞者が出たのは、金大中大統領が初めてである。しかしそれもさることながら、アジアでノーベル平和賞受賞者が出たのは1979年インドのマザー・テレサ以来実に21年ぶりのことである。ちなみに日本のノーベル平和賞受賞者は1974年の故佐藤栄作元首相である。</P><P>　金大中氏は、よく知られるように、生涯の大半を韓国の民主化に捧げてきた。日本が朝鮮半島を植民地にしていた戦前、彼は日本語で勉強をしていた。もちろん創氏改名により日本名も名乗らされていた。この頃からすでに政治に興味をもっていたという。1961年国会議員に当選後、1971年大統領選に初めて挑戦するも、朴大統領に惨敗。1973年には滞在中の東京のホテルからソウルに拉致され、通算6年間の獄中生活、10年に及んだ軟禁と亡命生活、1980年光州事件の首謀者として内乱陰謀罪で死刑判決など相当な政治的弾圧を受けてきた。自ら「死線を５回もくぐった」と振り返る。冷戦最前線にあった韓国社会にあって、首尾一貫として「南北間の全面交流を」という主張がその口実になったのだろう。</P><P>　戦後の朝鮮半島は、南は米国の支援の下大韓民国に、北はソ連の援助の下朝鮮民主主義人民共和国として北緯38度線を境に二分されていた。統一へ向かう対立のエスカレートから生じた朝鮮戦争の大きな傷跡である。スパイ活動を含めた見えない軍事的衝突、度重なる北から南への亡命などがさらに両国家間の溝を深めていた。南北統一という朝鮮民族の願いは、もはや世界中の誰もが不可能だと認識していたのが事実である。</P><P>　しかし金大中氏の信念が揺るぐことはなかった。獄中にあっても亡命先にあっても分断された祖国の平和的統一への独自の思想を繰り広げ、1997年４度目の出馬にしてついに大統領就任後、それを「太陽政策」として具体化し、冷戦構造に大きな風穴をあける布石になった。「太陽政策」とは、北朝鮮との共存へ忍耐心をもって積極的に関わっていこうという観念である。この「太陽政策」は日本にも向けた。日本との和解に人力を尽くすため、1998年の日韓首脳会談を境に日本文化の開放に踏み込んだのである。日韓の新時代が始まった。今回の授与理由にこの「太陽政策」が大きな要因になっているのは言うまでもない。</P><P>　いかなる弾圧にあっても韓国民主化と民族統一のために不屈の闘志を燃やし続けた金大中氏の姿勢は、国民の心を次第につかみ、韓国が成熟した民主主義国になるための原動力になったといえよう。南北間の軍事的対立が続く中で、平和を築いていくことは極めて困難であっただろうが、まさに奇跡ともいえる南北朝鮮の統一への歩み寄りを自らの強固な信念を持って切り開いたのだ。このような平和や民族和解の取り組みには、常に強い精神力を持ち、自己犠牲を恐れぬ人間によって支えられてきのだ。</P><P>　今回の受賞には金大中氏はまさに適任な人物だった。ここで日本の政治状況に目を向けざるをえない。どれほどまでの醜態をさらしていることか。日本の歴代の首相を見ても、指導性を発揮し政策を迅速に遂行した首相はいるだろうか。世界へ誇れる目立った成果をあげた首相はいるだろうか。過去、現在を振り返ってみても金大中氏のような思いもつかない発想で断固とした意志を発揮した首相はいない。中でも現内閣の森喜郎首相は愚の骨頂である。内閣不信任案に関する茶番も、元は森喜郎首相が引き金となっている。就任以来、「神の国」発言など、軽率な発言は国民の信頼を著しく欠いてきた。そもそもこれといった政策も持たずに密室で選出されること自体、日本の政治運営はいかがわしいものである。</P><P>　金大中氏にみならい、独自の潮流を生み出し不屈の信念と勇気をもって手腕を振るう政治リーダーが日本にも望まれている。隣国にこのような指導者をもてたことを心から喜びたい。同時に現在日本が抱える政治腐敗を放っておく訳にはいかない。我々国民はこのまま腐れ切った政治家に嘲け笑われているままでいいのか。政治家を決して甘やかしてはならない。有権者である国民が選挙における投票で意志を表すことで日本の金大中氏を探しだし、そして自らの手でアジアをリードする政治リーダーとして育てていこうではないか。</P><P><CENTER><HR><A HREF="../28english/shibata28e.html">English</A></CENTER></P><P><CENTER><A HREF="../28english/28topics">topics </A></CENTER></P><P><CENTER><A HREF="../index.html">index</A></CENTER></P></BODY></HTML>