契約社員

3年 西元 尚史

 

 最近雑誌、求人広告などに「契約社員」という言葉をよく目にするようになった。契約社員という言葉には社員という言葉が含まれ、一見すると正社員と間違いがちである。本来、契約社員はデザイナーなど「高度な専門職」である1年以内の契約した社員を指すことがほとんどであった。しかし現在ではもはや定義はないと言われている。強いて言うならば、採用や労働条件が正社員とは異なる雇用契約を結んだ労働者である。

 ここで契約社員の特徴について挙げておきたいと思う。

 まず、年次有給休暇は契約社員にも適用されるということである。ただし、6ヶ月以上勤務していることが条件となる。これは他のアルバイト、パートとは違う決定的な条件である。

 次に契約を勝手に中途解約できないことが挙げられる。有期雇用契約は「やむを得ない理由があるとき」に限って解約できるのが原則である。従って会社側も労働者側も勝手な中途解約はできないこととなっている。使用者からの解約は少なくとも30日前の予告が必要とされている。

 表面的には契約社員と正社員と変わらない。問題はなぜ契約社員という制度が広まりつつあるのであろうか?この理由として、東京都の調査で労務安全情報局によると、契約社員導入の理由として1位が専門業務に対応するため、2位が即戦力になる人材を確保するため、3位人件費の削減に役立つからとある。

 ここで第3位に注目してみたいと思う。「リストラ」という言葉を一度は聞いたことがあるだろうか?リストラの本来の意味は企業の再構築であり会社の経営方針を見直すものである。その中で一番の負担は人件費なのである。その中で正社員はそう簡単に解雇したりすることができないものであり、企業の視点から見て煩わしい問題をクリアした制度が契約社員のようである。つまり企業は会社が生き残るために一時的な人材が欲しいのである。

 しかし、この制度は会社にいくつか不利益をもたらす制度でもある。労働者側が契約社員を選んだ理由としていくつかある。(1)専門的な資格が生かせる(2)自分の都合に合わせて働けるからなどが挙げられる。しかしほとんどの契約社員は仕事が見つからずその穴埋めとして契約社員になると言うのが実態である。このことがその問題点を深刻化しているのである。そしてここで注意しておかなければならないことは、会社は正社員から契約社員への切り替えにおいては本人の同意を得なければならないものであり、なぜなら条件は悪くなるからである。契約社員は、給料が業績に基づいているのでいい業績を上げれば給料は上がるのである。もし失敗をすれば給料が下がるので、部下の世話をする時間がなく会社はとしては不利益を被ることとなる。

 この契約社員の制度は会社の経営を見直す上ではまたとない利益をもたらすであろう。そして契約社員の制度が広まる傾向は今後も続くことは必至である。

 最近では日本の経済が少しずつではあるが上向きになってきていることが報告され、本州の就職率も徐々に上昇しつつある。またビジネスの面でも銀行、大企業を問わずに合併吸収が後を絶たない。複数のアルバイトを掛け持ち、生活をしていくというフリーターという風潮が広まり、生活が出来てしまうので正社員になる必要がないという風潮がある。現状ではまだ不景気は脱しきれておらず、今日の経済は世界情勢に反映されている。契約社員制度が広まりつつある。理想的には全員正社員なのであるが、契約社員という制度は広まっていくのかもしれない。契約社員制度は会社の都合に合わせて作られているのであって、労働者個人としては良くはないので廃止されるべきであると思う。


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