<!--This file created 05.7.30 6:15 PM by Claris Home Page version 2.0J--><HTML><HEAD>   <TITLE>suehiro42j</TITLE>   <META NAME=GENERATOR CONTENT="Claris Home Page 2.0J">   <META HTTP-EQUIV="Content-Type" CONTENT="text/html;CHARSET=x-sjis">   <X-SAS-WINDOW TOP=43 BOTTOM=758 LEFT=4 RIGHT=534></HEAD><BODY BGCOLOR="#FFFFFF"><P><CENTER><B><FONT SIZE="+2">海外便りNo.5</FONT></B></CENTER></P><P><CENTER><B><FONT SIZE="+2">私のモスクワ留学生活</FONT></B></CENTER></P><P ALIGN=RIGHT><FONTSIZE="+1">４年　末広　恵（プーシキン大学留学中）</FONT></P><P>　</P><P>　私は昨年の10月15日からロシアのモスクワで留学生活を始めた。留学先はモスクワの中心から地下鉄で20分ほどの所にあるプーシキン大学である。この大学はロシア語の教育を目的として建てられた学校で、ロシア語教師をめざすロシア人学生や、ロシア語をマスターするために世界中からやってきた学生が通っている。</P><P>　学生たちの住む寮は大学の建物と廊下でつながっており、ほぼ1つの建物だといってよい。札大まで片道1時間半かかっていた日本での生活に比べると大変便利である。大学の時間割はグループによって異なり、私のグループでは木、土、日が休みで、授業の内容は実践会話、発音、文学、地域研究などがある。クラスメイトは私を含めて日本人3人、チェコ人1人、ハンガリー人4人、北朝鮮人1人の計9人である。休日にたまにみんなでモスクワ郊外へ行ったり、博物館へ行くなど仲の良いグループである。</P><P>　大学では普通の授業の他に、博物館や市内観光、モスクワ郊外へのエクスカーションが企画される。私も一度国立博物館へのエクスカーションに参加した。ほとんどが無料なので学生にとっては大変良い機会である。</P><P>　授業はだいたい昼過ぎで終わり、それからはみんな思い思いに過ごす。部屋でボーっとするだけの日もあれば、町へ出かけて観光をしたり、美術館へ行ったり、買い物をすることもある。数ヶ月前までは雪に覆われて歩きにくく、夕方5時には夜中のように真っ暗になっていたモスクワも、4月ごろから日が長くなり始め、多少遅く帰ることもあまり危険ではなくなってきた。夜の10時でもまだ夕方かと思われるほど明るい。しかし外国人を狙った事件は多く、一応の注意は必要である。</P><P>　私がモスクワに来て一番はまったのが演劇である。私は授業の後友達とまたは一人でよく観に行く。モスクワには100以上の劇場があり、それぞれさまざまな個性を持っている。そして日本の劇団と違い、それぞれの劇団が自分の劇場を所有しているので、夏のシーズンオフまでほぼ毎日上演している。ロシア語の訓練のためにも、ただ単に楽しむためにも大変良いところである。</P><P>　週末や祝日の連休を利用して、友達と様々な都市へ旅行に行くこともある。最も忘れられないのは、正月の連休に行った北の都市ムールマンスクである。そこで私は生まれて初めてオーロラを見た。突然夜空に巨大な光のカーテンが現れたかと思うと、ゆっくりと形を変えながら広がっていき、そのままいつのまにか消えてしまった。あの幻想的な光景は一生忘れられないだろう。</P><P>　旅行に欠かせない移動手段は寝台列車である。列車内ではよく人懐っこいロシア人が興味津々とアジア人相手に話し掛けてくる。こういった道中の列車の中でのロシア人とも会話も、大事なロシア語の授業の1つである。</P><P>　モスクワに来たばかりのころは、ロシア人と日本人があまりに違うのに驚かされた。時間通りに行動することは少ないし、店ではレジの女性は愛想笑顔をすることもなく無表情で黙々と働いている。何か気に食わないと見知らぬ人とでもよくケンカ口調で話し出す。しかし彼らは、一旦心を開けば陽気に話し始め、自分や家族の話、自分の町の自慢などをする。会ったばかりの人間を自宅に招待して泊まらせることもある。</P><P>　私は彼らのこういった両極端な二つの顔を見て、始めかなり戸惑った。しかしよく考えると、ロシア人のこれらの二つの顔は日本人にだって誰にでもある自然なものである。ただ日本人はロシア人ほど率直に自分の感情を表現しないだけなのである。ロシア人は、腹が立てばたとえ相手が初対面であったとしても我慢することなく自分の不満を口にするし、客に作り笑いをすることもない。逆に、家族や友人、気に入った人間には心からの愛情をもって接している。また困っている人を見ればいろいろ考えずに助けてあげるし、自分も街中でわからないことがあれば、遠慮せずに誰にでも聞く。ただ自分の気持ちや感情に素直に生きているのである。今は、そんなロシア人に大きな親しみを感じている。</P><P>　モスクワにやってきて以来私は、たくさんの悩みや喜び、驚き、出会い、別れを経験した。その度に世界中には実に様々な人々や文化や伝統があることを知った。たくさんの土地や歴史的、宗教的な名所、建築物を見てロシア人の厚い信仰心や、大きな歴史の息吹を感じることもできた。全てロシアに来なければ体験できなかったことばかりである。一番の目的であったロシア語の上達の結果はなんともいえないが、この留学で経験したこと全てが、私の将来を良い方向へと動かす力を多少なりとも持っていることを、私は心から確信している。</P><P><CENTER>　<HR><A HREF="../42english/topics42">Topics</A><BR><A HREF="../index.html">Index</A></CENTER></P></BODY></HTML>