<!--This file created 06.4.7 3:20 PM by Claris Home Page version 2.0J--><HTML><HEAD>   <TITLE>yamada44j</TITLE>   <META NAME=GENERATOR CONTENT="Claris Home Page 2.0J">   <META HTTP-EQUIV="Content-Type" CONTENT="text/html;CHARSET=x-sjis">   <X-SAS-WINDOW TOP=43 BOTTOM=758 LEFT=4 RIGHT=534></HEAD><BODY BGCOLOR="#FFFFFF"><P><CENTER><B><FONT SIZE="+2">フランスの移民事情</FONT></B></CENTER></P><P ALIGN=RIGHT><FONT SIZE="+1">4年　山田　裕介</FONT></P><P>　</P><P>　昨年10月27日にフランスで大規模な暴動が発生しフランス中を混乱の渦に巻き込んだ。事の発端は、パリ郊外で警官に追われていたアフリカ系の少年2人が変電所で感電死した事件である。また、サルコジ内相が暴動を起こしている若者のことを社会のクズ呼ばわりしたことで一気に暴動は勢いづいた。最終的に11日間続いた暴動は自動車5千台が焼かれ1千人以上が拘束されるという大事件となった。この事件の背景には総人口の8%にあたる約500万人の移民をかかえるフランス国内事情が存在する。まずはフランスの移民受け入れの歴史を簡単に見てみたい。</P><P>　フランスは1850年代の経済成長期から大量に移民を受け入れるようになり、1930年代に移民受け入れのピークを迎える。移民は主に炭鉱や自動車製造、農業などの職業に定着し、フランス経済を支えていった。しかし1950年代から、フランスの移民事情は変化していく。ヨーロッパ諸国間での経済格差が均一になる一方で、第三世界とよばれる旧植民地諸国との経済格差が大きくなっていった。その結果、戦前は移民の多くがヨーロッパ諸国からだったのに対して、戦後はフランスの旧植民地であるアフリカ北西部からの移民が多数を占めるようになった。現在もこの傾向は変わらず、アルジェリア、モロッコ、チュニジアなどからの移民が多数を占めている。</P><P>　そして、今回の暴動で問題になったのは、その移民に対する経済問題や差別などの社会的待遇である。フランス国内の外国人は今でも低賃金職業に固定されており、住居も政府が用意したパリ郊外の低所得者用集合住宅に限定されている。移民の年収はフランス人平均の約6割で失業率は2倍の約20%と言われている。また、アルジェリアやモロッコ、チュニジアはアラブ系国家であり、そこから来た移民たちはアラブ系の名前というだけで現実的には仕事を探すのが困難なほどの差別的な状況であるという。</P><P>　フランスのシラク大統領は今年1月30日に、毎年5月10日を奴隷解放記念日とすることを発表した。その趣旨は過去の奴隷制度の歴史を直視し、今も残る強制労働の完全撤廃を目指すというものだ。フランスがかつてとっていた植民地主義に対する反省である。しかし、これにはフランス国内の旧植民地からの移民の不満を解消する目的があることも明らかである。昔、旧植民地の人々はフランス人にとって奴隷のような存在であったのであり、そういう歴史的背景が今もなお移民に対しての差別的待遇につながっているのであろう。</P><P>フランスには、国内に自分たちと違う民族や宗教の共同体が存在するのを嫌う傾向がある。そのため移民に対してフランスへの同化政策をとってきた。その例として、フランスでは法律で公立学校でのイスラム教徒のスカーフ着用を禁じ、三色旗の意義や歴史の学習を義務付けている。しかし、そのような強制的な政策が逆に移民の人々に対しての差別を生んでいる。フランス以外のヨーロッパ諸国の多くは異なる宗教や文化に対して寛容な政策をとっているとはいえ、ドイツやイギリスもフランスと同じく移民問題に悩まされている。</P><P>　多くのフランス人は自らのナショナリティーに誇りを持っている。そのためフランスでは右翼、左翼政権が交互に誕生しているが、移民問題に対する厳しい政策については一貫している。しかし、フランス国民の就業率が低迷している現在、移民にまで充分に仕事が行き渡るほどの余裕はない。移民問題と国内経済の双方を両立する政策をとることは難しい。</P><P>　また今回の暴動騒ぎはひとまず収まったが、その原因は根本的には解決されていない。問題の一つは過去にフランスに大量流入した低所得移民や不法滞在移民などである。フランスは移民の流入に関して曖昧な制限を設けているため、不法滞在移民の流入を止めることは出来ない。もう一つの問題は彼らの宗教である。移民の多くはイスラム教徒である。彼らはフランスの同化政策に不満を抱いているが、フランスは政策を変えようとはしない。国内のイスラム問題は改善されなさそうだ。今回の暴動に関するこれら二つの要因は完全に解決されていない。フランスの将来に不安が残ることとなった。</P><P>　現在フランスは断固とした移民制限を設ける時期に来ており、それは過去に無制限そして無計画に移民を受け入れてきたツケでもある。今後ヨーロッパ最大の移民大国フランスは、自国の経済事情そして移民に対する対応などを十分考慮して、政策を打ち出していかなければいけないのはもちろんのことである。しかし、フランスが移民国家として今までに培った経験や知恵をそこに折り込んでいくことで、EU諸国に対して移民問題の模範を示すことが出来るのではないだろうか。フランス独自の知性がこの政策にどう活かされるのかを今後見守っていきたい。</P><P><CENTER>　　<HR><A HREF="../44english/topics44">Topics<BR></A><A HREF="../index.html">Index</A></CENTER></P><P>　</P></BODY></HTML>