札幌大学経営学部で行っている特色のある教育活動をいくつか紹介します。 経営学部では教授による講義のほかに,実社会で活躍されている経営者による, 生きた経営を直接講義する授業を設けています。通常の授業の中での経営者を招いた講義のほかに, 次に紹介するような,外部の経営者による講義を中心にしている授業もあります。 この講義では,新しい経営を創造した企業経営者,業界をリードする経営者や管理者,そして新しい企業のあり方について知見のある有識者を招いて,実践的な現実の経営とはどのようなものかを学びます。 主に北海道内から招くゲストスピーカーには,企業成長の軌跡,企業戦略,他社との経営の違い, 問題の克服方法,重要な決断,理想とする社員像などについて講演をお願いします。 実体験にもとづく企業づくりや企業経営のあり方が学べます。講演の後には,学生側からの質問や, 反対に講演者側からの質問など,教授を交えての対話によって生きた経営について, また札幌大学の学生についての理解を深めるようにしています。 2005年度 (敬称略) ●(株)光合金製作所 会長 井上一郎 ●サンエス電気通信(株) 社長 宮田昌和 ●(株)ヒューマン・キャピタル・マネジメント 社長 土井尚人 ●(株)セイコーマート 部長 今井克子 ●トヨタ自動車北海道(株) 常勤監査役 竹花奎一 ●ソメスサドル(株) 社長 染谷純一 ●(株)ティスリー 社長 渡部寿貢 ●シャープ(株) モバイル液晶事業本部参事 小寺次夫 2004年度 (敬称略) ●(株)アルファトレンド 社長 田中博見 ●北海道地図(株) 副社長 朝日 守 ●(株)北の住まい設計社 社長 渡辺恭延 ●(株)総合商研 社長 加藤 優 ●ハウジングオペレーション(株) 社長 石田和博 ●(株)三越札幌店 上席執行役員札幌店長 升野 東 ●元本田技研工業(株)中国業務室主幹 自動車評論家 山口安彦 ●(株)ムトウ 社長 田尾延幸 ●NTTドコモ北海道(株) 代表取締役経営企画部長 伊東則昭 2003年度 (敬称略) 2002年度 (敬称略) 経営学部では,毎年,中国あるいは韓国に希望する学生を募って短期の海外研修を実施しています。同じアジアの国々であっても文化や生活習慣が異なっていたり, 逆に国を越えて共感を覚えることなど,異文化に触れることで得られる経験は貴重といえます。 架空の会社を経営する「ビジネスゲーム」を実施して,
などを学ぶことができます。 ビジネスゲームでは,2〜3名でチームを組み1社を構成し, コンピュータネットワークを利用して会社をシミュレーションします。
ビジネスゲームは,あたかも社長の立場で経営していくことができるので, 経営全体を考える思考訓練となります。 (正式名称:札幌市西岡地域情報化推進協議会) 地域に開かれた大学を目指している札幌大学の地域連携の試みです。地元西岡の地域住民や行政機関,教育機関,商店街と連携して,地域社会における生活情報の流通システムの構築を図っています。全ての世代にとって住み心地のよい,安全で活力ある地域コミュニティを構築することを目的として協議会が平成10年7月29日に設立されました。経営学部の一部の学生もその活動に大きく貢献してきています。 Hop-NetのWeb Siteはインターネットを利用した地域交流の入口として,大森ゼミの学生が運営しています。地域密着を第一に掲げ,地域情報の発信と掲示板やメーリングリストを通しての交流活動に力を注いでいます。 Hop-NetのWeb Siteはこちらです。 高校での学習は,あらかじめ正解がわかっている学習課題を学ぶことが多いといえます。そして,同時にその正解にたどり着くための方法も明らかなことが多いでしょう。 一方,大学での学習は,基礎的な段階では,高校での学習と同様に正解が明確な場合が一般的ですが,大学での学習課題には,正解が複数あったり,どの解が真の正解といえるか不明であったり,解そのものが発見されていないことすらあります。 正解のある環境に慣れてしまっていると,大学での学習に漠然とした不安を覚える人もいるかもしれません。しかし,学校で学んだことだけで社会で常に発生しているさまざまな課題に対する答えが得られるわけではないのは容易に想像つくことだと思います。では,高校までに学んできたことは無意味でしょうか? そうではありません。課題を整理・分析し,解決のための方策を創造できる力を養うためには一朝一夕ではできません。高校までの基礎的で継続的な学習があってこそはじめて養われるのです。そして,大学は社会に飛翔する直前時期に,皆さんが発展的・応用的な知識・技能を獲得するための極めて重要な学習の場なのです。 大学の魅力のひとつとして,教員の個性が前面に出ていることが挙げられます。たとえば,ひとつの課題に対する考え方は,一般に複数あることが多いでしょう。教員の専門分野や研究方法論の違いによって,異なる見解を学生は目の当たりにすることができる機会があるのです。高校までのいわば「一問一答式」の学習環境に慣れてきた学生にとっては,知的ショックを受けることでしょう。この意味で,大学は「異世界」なのです。 また,高校では何を学習するかは,わずかな例外を除けばほとんど高校側で決められています。これに対して大学では,一部の必修科目などを除けば,学習する内容を主体的に決定できることがほとんどです。自らがデザインした学習テーマに沿って,自分のオリジナルな授業時間割を組むことができるのです。 大学は知的好奇心を満足させる場であり,また,自身の知的可能性を探求する場なのです。 |
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