06-4.知事交際費と情報公開
最高裁平成6年1月27日第一小法廷判決
最高裁判所民事判例集第44巻1号53頁
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最高裁判決の判断の共通点と相違点<相違点>
1 A、Bでは、交際そのものを事業と把握し、交際の相手方や内
容が公開された場合には、交際事務の目的が達成できなくなる
と判断しているのに対し、Cでは、懇談等の事務は、全て水道部
内の事務ないし事業遂行の為になされたと把握し、支障の有無
は、開催目的や内容から判断すべきとしている点
2 Aでは、知事交際費の多用な支出を一括して、条例の非開示
規定に該当させると、交際事務の目的が達成できなくなる
おそれがあると認定しているのに対し、Cでは、懇談等に関する
文書を公開することにより事務の公正かつ適切な執行に著しい
支障を及ぼすおそれがあることを具体的に立証しない限り
条例の非開示規定に該当しないと判断した点
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コ メ ン ト
事柄が従来機密扱いされることが当然視されていた文書だけに
本判決の示した判断は注目すべきものであるが、大阪府の島本町
では既に同種の文書について、情報公開条例に基づき公開されて
いるほか、春日市においても公開された実例があるとのことなので、
将来的にはこのような文書について公開を認める方向に進んでいく
のではないだろうか。
また、それが住民による府政への実質的参加を促し、地方自治の
健全な発展につながるという面で望ましいことではないだろうか。
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