どうやら新年度初日に、文化説明に発した教師のことばが、ことの始まりらしい。それを学生は、しっかり覚えていたのだった。
5月22日は、太陽がさんさんと輝く、よく晴れわたった日だった。ロシア語教室のメンバーは、前の日から買い出しや雰囲気作りの準備に余念がなかった。なにせ、初めての試みなのだから。
とりがらで下地をつくった。キャベツや人参、玉ねぎ、いも、それに肉をたっぷり入れる。今日はソーセージも加えたから、さしずめモスクワ風ボルシチかな。
教室移動の学生が、こっちを見ていく。好奇心のまなざしだ。知り合いには、さっそく声をかけて、味をみてもらう。