<!--This file created 99.8.8 14:23 by Claris Home Page version 2.0J--><HTML><HEAD>   <TITLE>ken-j-24</TITLE>   <META NAME=GENERATOR CONTENT="Claris Home Page 2.0J">   <META HTTP-EQUIV="Content-Type" CONTENT="text/html;CHARSET=x-sjis">   <X-SAS-WINDOW TOP=42 BOTTOM=757 LEFT=4 RIGHT=534></HEAD><BODY BGCOLOR="#EEEEEE"><P><CENTER><B><FONT SIZE="+2"COLOR="#AF0000">手塚治虫が残した物</FONT></B></CENTER></P><P ALIGN=RIGHT>３年　那須川健</P><P>　手塚治虫という漫画家を知らない日本人は、まずいないだろう。私達は少なからず彼の作品を知り、知らず知らずのうちにそこにある彼の思想に触れている。そして、その膨大な作品群の中には一貫した一つのテーマがある。それは『生命の尊厳』という、彼自身求め続けた普遍的な命題である。</P><P>　手塚さんがこの問題を描く契機となったのは、第二次大戦の体験からだった。その時の心境を彼は後にこう述べている。『空襲に襲われて周囲が火と死体の山となったとき、絶望して、世界は終末だと思ったものです。』そして生命の尊さを知った彼は医学を志し博士号を取得するが、そこでも彼は医学、つまりは科学は万能では無いということに気付き、悩んだ。結局、彼は漫画家の道を選んだのだが、結局、彼はそこで生命の尊厳についての感性を表現できたのである。</P><P>　『これは私の信念なのです。ですから、私の作品の中にはこのテーマが繰り返し出てきます。』と、手塚さんは自らの作品について述べている。その中でも、特にそのテーマが如実に表れて来るのは、『火の鳥』と『ブラックジャック』の二大長編である。前者に於いては、過去から未来にまたがった、不死鳥『火の鳥』の視点から、幾重もの人類の発展と滅亡の様子を壮大に描いている。ある時代の人類が滅ぶ度、火の鳥は思う、『今度の人類こそきっと何処かで間違いに気がついて生命を正しく使ってくれるようになるだろう』と。後者では無免許医師『ブラックジャック』が、患者の生と死に向き合い治す姿、また、医学では治せない病んだ心や社会の歪みについての彼の苦悩が描かれている。ブラックジャックの医学、つまり科学の限界に対するもどかしさは、医学博士としての彼自身のものでもある。</P><P>　私達は、自分の命は勿論大切にするが、人類という単位に於いてはどうだろうか？私達は生命を尊んでいるであろうか？私達の文明は正しい方向に進んでいるだろうか？私達は常にそれを私達自身で監視する義務がある。それが手塚さんが生涯作品を通して伝えたメッセージである。そういう彼の意図を知らずに、昔彼の作品を読んだ方も、是非もう一度、『生命の尊厳』というテーマを意識して読んでみて欲しい。</P><P><CENTER><HR><A HREF="../24english/ken-e-24.html">English</A></CENTER></P><P><CENTER><A HREF="../24english/24topics.html">Topics</A></CENTER></P><P><CENTER><A HREF="../index.html">Index</A></CENTER></P><P><CENTER>　</CENTER></P></BODY></HTML>