<!--This file created 02.1.16 3:54 PM by Claris Home Page version 2.0J--><HTML><HEAD>   <TITLE>fuzii30j</TITLE>   <META NAME=GENERATOR CONTENT="Claris Home Page 2.0J">   <META HTTP-EQUIV="Content-Type" CONTENT="text/html;CHARSET=x-sjis">   <X-SAS-WINDOW TOP=43 BOTTOM=758 LEFT=4 RIGHT=534></HEAD><BODY BGCOLOR="#FFFFFF"><P><CENTER>　　　　　　　<B><FONT SIZE="+1"COLOR="#0000AF">悲鳴で沈黙を破った『ハンニバル』</FONT><FONTSIZE="+1">　　　　</FONT></B></CENTER></P><P ALIGN=RIGHT>1年　藤井雄太</P><P>　『羊たちの沈黙』から１０年、ついに続編の『ハンニバル』が今年公開された。『ハンニバル』は『羊たちの沈黙』と同様に心理的なやり取りが交錯するサイコロジカル・ホラーに属するといえる。観客を魅了するのはその所以だ。この映画は『羊たちの沈黙』と繋がりがあるから、見ていない人はまず『羊たちの沈黙』を見ればより理解が深まると思う。</P><P>　今年『ハンニバル』は公開され、レクターの紳士的でかつ残虐非道な殺人劇が幕を上げた。前作に比べると今回はレクターが中心的に描かれているように思われる。彼はフィレンツェで伝統あるカッポーニ宮の司書という要職につき、フィル博士と名乗り、自由を謳歌していた。しかし周りにレクターだと気付く者が現われ、追跡していたが、それに感づいたレクターは彼を返り打ちにしてしまう。そんな折、クラリスの方にレクターから一通の手紙が届く。「今でも子羊の悲鳴が聞こえるか教えたまえ_」　</P><P>そうしてクラリスもレクターの捜索に身を乗り出し、レクターの左手に手錠をはめる所までいくが、レクターは出刃包丁で手錠に繋がれた自分の左腕を切断し逃走する。そしてレクターは旅客機の中で自分で持ち込んだ人間の脳味噌をそれとは知らないで食べたそうに見ている子供に対して次の様に言った。「食事とは呼べない代物を持ち込むのが私だ。新しいものを食べてみることが大事なんだよ」その言葉には十分すぎる程の異常性があり、彼の本質に迫るものが感じられた。</P><P>　『ハンニバル』の内容に関しては意図的に簡略に説明させてもらった。それは皆さんに自分の目で映像を見てもらいたいからだ。レクターの紳士的な所と残虐性にはどこか矛盾を感じるかも知れないが、身に降りかかる火の粉を振り払い、私欲に目が眩んだ者に対して彼が容赦なく鉄槌を下すところにこの映画の醍醐味がある。特にパッツイを殺す時の手口はレクターならではのものだと感心させられ、面白味すら感じる。レクターの常軌を逸した手口に他の映画とは違った興味が掻き立てられる。</P><P>　レクターを演じるのは前作と同じアンソニー・ホプキンス、イギリスの俳優だ。彼は今や名優の粋に達している。『羊たちの沈黙』で怪演を見せたホプキンスの名演技がまた観れたのは何とも嬉しい限りだ。彼はこの作品に取りかかる前に１年にわたる長期休暇を取り、万全の体制で望んだ。レクターの再演は本人も楽しみにしていたこともあり、前作以上の怪演が見られる。</P><P>　クラリスを演じるのはジュリアン・ムーアだ。当初はジョディ・フォスターにオファーされていたが、脚本を読んだジョディが今回のクラリスの役柄が自分に合わないということや物語が嫌いだということを主張し、出演を辞退してしまい、結果ムーアの参加に至った訳だ。</P><P>　もちろん『ハンニバル』が面白くないという人も出てくると思う。単にグロテスクなシーンばかりで何の感動もないホラーだと思うかも知れない。　</P><P>確かにグロテスクなシーンの連続に気持ち悪さを感じることはあるが、個人的にはクラリスとレクターの心理上のやり取りに重点的な面白みを感じる。それは『羊たちの沈黙』においても同じことが言える。２作ともそれが重視されていることから、見所はそこにあると確信できる。だからホラーの嫌いな人は視点を変えてみたらどうか。グロテスクな映像だけにとらわれず、色々な人が交錯する心理上のやり取りに目を向ければ引かれるものがあるはずだ。</P><P>　メガフォンを取ったのは『グラディエーター』（２０００）で今年度のアカデミー賞を受賞したリドリー・スコットだ。彼は７０年代の代表的なＳＦ作品『エイリアン』でＳＦファンに絶大な支持を受けた監督である。イギリス出身の美術大学出、そして長らくＣＭ業界で活躍していたということもあって、その素晴しい映像美には定評がある。『ハンニバル』でもリドリー・スコット流の冷たく、それでいて美しい映像が見られる。</P><P>　個人的に『ハンニバル』は見所が沢山ある映画だと思う。鮮明な映像、美しい音楽、期待を持たせる配役など、どれを取っても存分に楽しめる作品だ。一見すれば、貴方は既に引き込まれている自分に気付き、そしてレクターの深層心理の未知の領域へ足を踏み込むことになるだろう。</P><P><CENTER><HR><A HREF="../30english/fuzii30e.html">English</A><BR><A HREF="../30english/30topics.html">Topics</A><BR><A HREF="../index.html">Index</A></CENTER></P><P>　</P><P>　</P><P>　</P><P>　</P><P>　</P><P>　</P><P>　</P><P>　</P><P>　</P><P>　</P><P>　</P><P>　</P><P>　</P><P>　</P><P>　</P><P>　</P><P>　</P><P>　</P><P>　</P><P>　</P><P>　</P></BODY></HTML>