<!--This file created 02.1.16 3:52 PM by Claris Home Page version 2.0J--><HTML><HEAD>   <TITLE>okuhara30j</TITLE>   <META NAME=GENERATOR CONTENT="Claris Home Page 2.0J">   <META HTTP-EQUIV="Content-Type" CONTENT="text/html;CHARSET=x-sjis">   <X-SAS-WINDOW TOP=43 BOTTOM=758 LEFT=4 RIGHT=534></HEAD><BODY BGCOLOR="#FFFFFF"><P><CENTER><B><FONT SIZE="+1"COLOR="#28A90E">『山の郵便配達』</FONT></B></CENTER></P><P><CENTER><B><FONT SIZE="+1"COLOR="#28A90E">親子の絆回復のために</FONT></B></CENTER></P><P ALIGN=RIGHT>２年　奥原泉</P><P>　『山の郵便配達』は５０ページ程度の短編小説であり、薄れつつある親子の絆を再確認する物語である。短い文章を用い、会話、表情、体の動きなどで、主人公やその細かい心の動き、周りの壮大な風景を目に浮かぶように表現している。この小説は中国の短編小説で、著者は、彭　見明（ポン　ヂエンミン）で、長・短編小説やエッセイを出版して多数の賞を受賞している。　</P><P>　舞台は、中国湖南省の人里離れた山岳地帯で、そこに住んでいる年老いた郵便配達人が主人公である。描かれているのは約２０年前の１９８０年代初頭で、現代のように機械化が進んでおらず、手紙を何日もかけて一通一通歩いて届けていく。それこそが、郵便配達の原点であり、車の普及していない時代の大変さを感じる。最近の日本では、Eメールなどの発達で手紙を書く機会が減っているようだが、手紙を届けることの大変さと、手紙の持つ温かさを思い出させてくれる。</P><P>　主人公の年齢は書かれていないが、長い間郵便配達人として、山を登り、川を渡り歩きつづけ、体力的に限界を迎えた。そこで、彼は最後の配達の日に仕事を引き継がせようとして息子を連れていく。父は何十年も愛犬を連れて、ただ単に手紙を配達するというだけでなく、手紙を書いた人、受け取った人の思いを届けてきたのだ。今度は、その仕事を息子が継ぐことになり、うれしさや不安でいっぱいだった。その一方で、自分にはまだ体力があるのだと思い、息子に配達の仕事を譲ることに納得したくない、という気持ちがあった。仕事をすべて教えなければならないという責任もあったため、いつもよりも一生懸命教えようとした。父の考えをよそに、息子は淡々と仕事をこなしていく。無口で何も考えていないようだが、実は父のことを最も心配していた。川で足の痛みのため渡れないでいる父を、息子が背負って渡った。その瞬間、父親は自分の役目が終わったことを実感したのである。旅を続けて行くにつれて、少しづつお互いの気持ちを理解していく様子が伝わってくる。息子は幼い頃、母の苦労する姿を見てきたので、仕事であまり家に帰らない父に対して、息子は距離をおいていたが、このようにして、急に二人の距離が近づいてきた。同じ仕事を経験して父の気持ちがわかったのであろう。</P><P>　この作品を通して、親子の絆の大切さを痛感した。現代日本では、親子の会話も減り、家族全体がバラバラになりつつあると言われている。そうなったら、親子の絆を深めることは簡単ではない。この作品は、多くの人に親子の絆について考えるチャンスを与えてくれるだろう。そして、この作品は最近映画化された。映像的に優れていて、中国の自然を雄大に映している作品である。日本の親子に是非見てもらいたい作品である。中国やその他のアジア諸国の秀作は、現代の日本人が忘れているものを思い出させる。ぜひ小説や映画でそれらに触れることをお勧めする。</P><P><CENTER><HR><A HREF="../30english/okuhara30e.html">English</A><BR><A HREF="../30english/30topics.html">Topics</A><BR><A HREF="../index.html">Index</A></CENTER></P><P>　</P></BODY></HTML>