<!--This file created 02.1.16 3:39 PM by Claris Home Page version 2.0J--><HTML><HEAD>   <TITLE>konno31j</TITLE>   <META NAME=GENERATOR CONTENT="Claris Home Page 2.0J">   <META HTTP-EQUIV="Content-Type" CONTENT="text/html;CHARSET=x-sjis">   <X-SAS-WINDOW TOP=43 BOTTOM=758 LEFT=4 RIGHT=534></HEAD><BODY BGCOLOR="#FFFFFF"><P><CENTER><FONT SIZE="+1" COLOR="#0000AF">広島と原爆と平和</FONT></CENTER></P><P ALIGN=RIGHT>1年　金野　宏昭</P><P>　私は今年の八月末、原爆や戦争の残虐性を知るために,広島へ行ってきた。太平洋戦争終結からもう半世紀が過ぎ、私たちはいわゆる「平和な世の中」を生きている。だが、世界では数え切れない程の民族紛争や宗教戦争などが現在も続いている。そんな報道をテレビや新聞で目にする度、日本が戦争に参加してしまう時が、いつか来るのではないか、と思った。・・・兵隊ではない１４万人もの一般市民の命を奪われた都市、広島。過去の傷跡に触れて、平和の大切さというものを実感したい。</P><P>　太平洋戦争がアメリカの予想以上に長引き、日本の無条件降伏を促す手段として使用された原子爆弾。それは、爆発の時に生じた約３０００〜４０００度にも達する熱線が人々を焼き、強烈な爆風が民家などを吹き飛ばした。その後に建物に火が回り、広島の街を焼き、放射線が人々を苦しめた。８歳の時に原爆を体験したピースボランティアの奥田さんはこう語っている。『爆発の瞬間、私は玄関にいたが、空がピカッと光った途端、何が何だか分からなかった。気づいた時には、奥の部屋にいたはずの兄が目の前でタンスの下敷きになって死んでいた』と。これは、爆風のせいで、兄もタンスもここまで飛ばされたのだと彼は言った。『外では、熱線に焼かれた人々は、顔だけでは男女の区別はつかなかった。腕の皮膚が垂れ下がっていて、体に触れると痛むので、彼らは本当に幽霊のように手を前に出して歩いていた』とも語った。わずか８歳の時に、肉親の死や、この様な惨事を目にした彼は、我々の想像を超える衝撃を受けたに違いない。真っ黒焦げになった人々、水を求めて歩きさまよう人々、数え切れない程の死体。広島の街は、そんな彼らであふれていたのだ。</P><P>　後に奥田さんの口から信じ難い言葉が出てきた。それは、『アメリカが原爆を投下したのは、日本の軍国主義のせいである。私は、アメリカを憎んでいない。憎むとすれば、日本の軍国主義である』というものだった。確かに、それは間違っていないかもしれないが、家族をも失った彼が、そんなことを言い切れるのであろうか。・・・だが私は、彼の発言を前向きなものとして受け止めていきたい。</P><P>　平和記念資料館の中には、８時１５分で止まった時計や動員学徒のボロボロになった学生服など、数え切れない程の当時の遺品が展示してあった。その他にも、原子爆弾がもたらした数々の被害を説明したボードや写真が、絶え間なく目に入ってきた。これら全ての展示品には、当時の悲しみや辛さが宿っている様にも思われた。この資料館の近くに建っている、５６年前と変わらない姿をとどめている原爆ドームは、現在の整った街並みとは合わず、まるで、そこだけ当時の空間のままであるような感じがした。それ故に、あの痛々しい姿の建築物は忘れることのない光景となった。広島復興の際に、過去の惨事を忘れるために、原爆ドームを壊すという動きもあったが、原爆・戦争の悲惨さを伝えるために、今に至っている。</P><P>　原爆投下の史実は、誰でも知っているが実際、原爆ドームなどを目の当たりにしてみると、わずかながら戦争というものを「実感」できた。教科書の写真や、説明文ではない本物の傷跡・・・つまり戦争の一部に触れるということは、過去に触れることであり、「戦争があったんだな」という意識が、「戦争があったんだ」という確かなものになった。</P><P>　太平洋戦争以降、原子爆弾の実用は記録されていないが、たび重なる核開発、核実験のため、現在の核兵器の数は、２万発を超えている。一度過ちを犯せば、取り返しのつかない事態になってしまうのは周知の事実である。戦争を知らない世代の私達が平和を訴えるのは、難しいことだが、今一番にすべき事は、その戦争を知る事である。そういう意識も手段も少なくなっている現在ではあるが、過去の惨事を無意味にしないためにも、これからの国際社会に貢献するためにも、私達は今、動かなければならないのである。</P><P><CENTER><HR><A HREF="../31english/konno31e.html">English</A><BR><A HREF="../31english/31topics.html">Topics</A><BR><A HREF="../index.html">Index</A><BR></CENTER></P><P>　</P><P>　</P></BODY></HTML>