<!--This file created 02.1.16 3:39 PM by Claris Home Page version 2.0J--><HTML><HEAD>   <TITLE>kosai31j</TITLE>   <META NAME=GENERATOR CONTENT="Claris Home Page 2.0J">   <META HTTP-EQUIV="Content-Type" CONTENT="text/html;CHARSET=x-sjis">   <X-SAS-WINDOW TOP=43 BOTTOM=758 LEFT=4 RIGHT=534></HEAD><BODY BGCOLOR="#FFFFFF"><P><CENTER><FONT SIZE="+1"COLOR="#D5252B">自分探しの旅へ『GO』</FONT></CENTER></P><P ALIGN=RIGHT>2年　小齋　希美</P><P>　「俺は何者だ？」この物語の主人公杉原は、彼が出会った日本人の少女桜井に問う。イヤ、それは著者自身の問いであり、私達読者に対しての問いなのであろう。</P><P>　杉原は、生まれも育ちも日本だが、韓国籍をもつ、いわゆる「在日」。中学までは民族学校に通っていたが、父秀吉の「広い世界を見ろ」ということばに触発され、日本の高校へ入学した。彼のまわりには「スーパー・グレート・チキン・レース」の成功者タワケ先輩、民族学校の悪友元秀（ウォンス）、ヤクザの息子の同級生加藤など、強烈なくせ者で溢れている。しかし、杉原が親友と呼べるのは、民族学校開校以来の秀才・正一（ジョンイル）だけだった。ある日、杉原はパーティーで出会った少女、桜井と突然の恋に落ちる。ぎこちないデートを重ね、徐々にお互いの気持ちが近づいていくのがわかった。いつかは言わなきゃいけない。そのことが時々杉原の頭をよぎるが、それで全てを失うはずはないと思っていた。そんなある日、正一から電話が掛かる。「話したいことがあるんだ。すげぇ事なんだ。お前ならわかってくれると思うんだ」杉原がすげぇ事を聞くことは永遠になかった。</P><P>　この小説『GO』は、第123回直木賞受賞作品として、また、窪塚洋介主演映画の原作として多くの人に知られている。著者の金城一紀氏自身がコリアン・ジャパニーズであり、この作品も彼の経験が一部描かれている。「在日」という大きく重たい問題であるにもかかわらず、個性的で強烈なキャラクターたちの存在が、決して読者を飽きさせず、最後まで一気に読ませる。</P><P>　私は今まで、『GO』ほど自分の考え方に影響を与えた本に出会ったことがない。恋愛・友情・親子の絆・差別・偏見・「在日」問題。この小説には実に多くの題材が描かれている。読者一人ひとりが、個々それぞれの捉え方ができるはずだ。</P><P>　その中で、私が最も強く感じたのは、やはりアイデンティティーの問題だった。冒頭で書いたように、「俺は何者だ？」と問いかける杉原のシーンが、私は一番印象に残った。日本で生まれ、日本で育ち、日本語を話しながらも差別・偏見を受ける「在日韓国人」の杉原。大切な人を得ることで感じる、差別されることへの恐怖、失うことへの不安。そして、「在日」であるがゆえに体験するアイデンティティーの葛藤。</P><P>　私はこの本に出会うまで、「在日」という存在は知っていても、興味をもつことはなかった。私には全く関係ない世界のことのように思っていた。しかし、それは大きな間違いだ。関係ないと考えていた世界も、私の生活する世界の一部である。「何も知りません。わたしには関係ありません」とは言えないくらい、身近にある問題なのだ。私が「在日」の人々の差別や偏見による苦しみを彼らと同じように感じることはできないだろう。だが、事実や真実を知ることはできる。そして、それを胸に刻んでおくことが大切なのではないだろうか。私はこの本を読んで、傍観者でいてはいけないということや、私たち以上の苦しみを持って生きている当事者である「在日」の人々の存在など、本当にたくさんのことを考えさせられた。私がそうであったように、一人でも多くの人がこの本と出会い何かを感じてほしい。それは自分探しの旅でもあるのだから。</P><P><CENTER><HR><A HREF="../31english/31topics.html">Topics</A><BR><A HREF="../index.html">Index</A><BR></CENTER></P><P>　</P></BODY></HTML>