<!--This file created 02.4.28 3:48 PM by Claris Home Page version 2.0J--><HTML><HEAD>   <TITLE>yoshida32j</TITLE>   <META NAME=GENERATOR CONTENT="Claris Home Page 2.0J">   <META HTTP-EQUIV="Content-Type" CONTENT="text/html;CHARSET=x-sjis">   <X-SAS-WINDOW TOP=40 BOTTOM=756 LEFT=28 RIGHT=601></HEAD><BODY BGCOLOR="#FEFDFF"><P><CENTER><B><FONT SIZE="+1"COLOR="#AF0000">福原先生、最後の授業</FONT></B></CENTER></P><P ALIGN=RIGHT>2年　吉田　藍</P><P>　「全員立って後ろへ行け」という座席を指定するためのこの一声から、彼の講義は始まる。その先生とは英語学科の学生が緊張して接する先生の一人、福原俊明教授である。彼は29年間、札幌大学で英語の教授として教壇に立っていたが、今年度で定年退職し、幼い頃から慣れ親しんだ北海道を離れ、東京の町田市へと転居する。講義に取り組む生徒の態度にとても厳しく、ひと月で500ページ以上の洋書を読む課題を出すなど、圧倒される生徒も多いが、人気もある。授業では、語法や単語の意味を生徒と親身になって細かく丁寧に指導し、時には福原先生独特の言動でクラスが和み、過去の生徒の経験談では、私自身多くの刺激を受けた。</P><P>　北海道で生まれ、北海道学芸大学（後の教育大学）に入学した福原先生は大学3年から英語を始めた。それまでは音楽を専攻していたと聞き、英語教師に進路変更した理由と、英語の取り組み方について尋ねると次のように応えた。「音楽は好きで、とても楽しかった。東京芸術大学への進学も考えた。けれども、十分なお金もないし、音楽でやっていくだけの気持ちも才能もないと自分でわかった。英語は戦争の影響でほとんど学んでなかったが、音楽を通して体で音を覚えることに慣れていたから苦ではなかった。また、好きな本の英訳をしては、アメリカ人の友人に英文の書き方を教って自分の弱点を知り、発音も改善できた。」そして、好きだから洋書を読み、英語で思考し、話すという習慣を身につけたという。それは全て英語が好きで、試験を受験するのも楽しかったからだと。何千冊の洋書に囲まれる福原先生の研究室で「生徒に本を読めというのは自分がそうしてきたからだ」という先生の目には、本を読めば英語に強くなるという説得力があった。</P><P>　それから、アメリカ政府全額支援フルブライト英語教員プログラムの試験に受かり、サンフランシスコ州立大学で、日本では珍しい英語音の出し方を特に学んだという。高校教師から大学教授へと移ったのは、何回も誘いがあり、熟慮した結果であった。</P><P>　自らを英語教師でなく、英語屋と評する先生は、型にはまらない文を探し、語法研究をしてきた。それは、今まで気づかなかった言語現象を発掘し、「必然性の追求」をしたものであった。「先生になる上で影響が大きかった大学の恩師がいる。音楽の新野教授で学問も、教え方も、人間性においても素晴らしい人に出会えたことが幸せだった。その先生から音楽にも英語にも必然性がある、ということを学んだ。」と懐かしそうに話してくれた。「言葉は目的でなく道具であり、無限の可能性がある過程を楽しむのが大事である。どうやったら英語を効率的に学び、教えられるかが大切だ。」と語る様子からは、生徒に対する思いやりと、教師の情を垣間みた。</P><P>　いびりにもめげない根性をつけるというポリシーがあった先生は、今の生徒に対して次のように指摘した。「皆素直すぎる。もっと馬力を出して教師にかじりついて欲しい。元気をだせ、特に男子。今は女子の方が強くて、海外へ行くのも女子が積極的だ。自分を鍛え、覇気をもって教師に向かってほしい。」教え子の中には、目的意識をはっきりと持ち、自分の才能を見つけて、一生懸命頑張った人もおり、目的のために全てをかけた生徒は、国内だけでなく、世界でも成功しているという。</P><P>　定年後、非常勤講師の話もあったが、退職を選んだ福原先生。仕事が生き甲斐のすべてではないし、次の出発点として区切りもよく、何よりも嬉しいと話す様子からは、少し若返った雰囲気さえあった。東京で生活したことはないと多少不安な表情を見せながらも、先のことを何も考えていないけれど、何をしなくてもよいのだと、本当に嬉しそうに話した。若い頃はオートバイを乗り回していたので、町田市を騒がしくするなどと冗談を交えながらも、転居先ではボランティア活動をしてみたいという。また、生徒から好評な先生の服装について聞くと、「そこにある物」を着ているだけだと照れくさそうに答えた。しかし、その「ある物」は自分で購入しているらしい？！</P><P>　学生である時、自分に刺激や影響を与える先生には限りがある。出会うきっかけに始まり、本人の意志、行動によってもっと親しくなれる機会もあるのだ。福原先生はそういう先生の一人であり、授業中は英語だけでなく、多岐にわたる経験談を聞くことができ、そこから学ぶものはとても多かった。そのような彼の授業をもう受けられなくなることは非常に残念である。29年に渡り教えていただいた学生たちに代わり、ここに感謝の意を表したい。</P><P>　今まで本当にありがとうございました。そして、お疲れさまでした。</P><P><CENTER><HR><A HREF="../32english/32topics.html">Topics</A><BR><A HREF="../index.html">Index</A></CENTER></P></BODY></HTML>