<!--This file created 08.7.26 1:04 PM by Claris Home Page version 2.0J--><HTML><HEAD>   <TITLE>katayose51j</TITLE>   <META NAME=GENERATOR CONTENT="Claris Home Page 2.0J">   <META HTTP-EQUIV="Content-Type" CONTENT="text/html;CHARSET=x-sjis">   <X-SAS-WINDOW TOP=68 BOTTOM=768 LEFT=8 RIGHT=538></HEAD><BODY BGCOLOR="#FFFFFF"><P><CENTER><B><FONT SIZE="+2">海外だよりNo.14: </FONT></B></CENTER></P><P><CENTER><B><FONT SIZE="+2">フランスとワインと子育てと</FONT></B></CENTER></P><P ALIGN=RIGHT><FONT SIZE="+1">英語学科1995年卒　片寄 明美</FONT></P><P>　</P><P>　１年ほどの一時帰国の期間を除いて、フランスでの生活はもう３年になる。きっかけはワインだった。25歳の時、大学卒業後に勤めていた会社を親の反対を押し切って辞め、フランス料理店のサービスに転職した。このまま事務員で終わりたくない、という思いからだった。レストランでの仕事は、毎日新しい発見の連続で、充実した日々を送ることができた。そして、ワインという飲み物の奥の深さに引き込まれていった。しかしワインアドバイザーという資格も取得し仕事に励む毎日の中で、気がつけばワインを楽しむ気持ちを忘れ、仕事の道具としてしか見ることが出来なくなっていた。同時にどのようにワインが作られるのか、実際にフランスへ行って自分の目で見てみたいと思うようになった。一度は無理だとあきらめたけれど、やはり後悔したくないとの思いから30歳を目前にして渡仏することを決意した。</P><P>　そして2003年の冬、初めてフランスの地を踏んだ。まずパリでホームステイをし、その後ブルゴーニュ地方の中心都市であるディジョンへ移った。語学学校に行くかたわら、念願だったブドウの収穫やミシュランの１つ星を獲得しているレストランで働く機会も与えられた。2004年に夫になる人と出会い、２年後に結婚もした。契約が切れ仕事は辞めることになったが、子育てをしながら充実した日々を過ごしている。</P><P>　現在は、パリの東北東約150kmに位置するシャンパーニュ地方の小さな村で、夫と３月に１歳になった息子と３人で暮らしている。人口1,000人にも満たないこの村には本当に何もない。あるのは、ブドウ畑のみである。この村で暮らすようになったのは約１年前からで、夫が勤めるシャンパン醸造会社のオーナー夫妻が、身寄りのない私たち家族を心配してくれ、自分たちの近くへ引っ越してはどうか、と勧めてくれた。今では、彼らのお孫さんと一緒に遊ばせてもらったり、奥さんから子育てについてアドバイスをしてもらったりしている。</P><P>夫ともまたワインを通じて出会った。彼もワインに魅せられフランスへやってきた一人である。フランスで醸造の学校へ通い、何軒ものワイン農家で働いて経験を積んできた。今の会社での仕事は、剪定など畑の作業からシャンパンの醸造までと多岐に渡っている。シャンパーニュ地方には日本人の観光客も多いので、その時は通訳もこなしている。オーナーも夫を信頼しどんな仕事も任せてくれている。</P><P>私はというと今は息子中心の生活である。異国の地での出産、子育てはとても大変だけれど、息子のおかげで色々なことを経験させてもらっている。辞書片手に病院へ連れて行ったり、託児所探しをしたりとなかなか面白い。フランスはとても子育てのしやすい国だと思う。私は病院でこの子を生んだが、出産に関する費用は全て無料だし、毎月日本の５倍ほどの児童手当てももらえる。そして、大人が積極的に子育てに関わるし、子供に対する姿勢も非常に前向きだと感じる。フランスで産まれて育っていることが息子にどう影響していくのか分からないけれど、人種差別の少ないこの国で優しい子に育ってくれればと思っている。</P><P>ワインを勉強したいと思い切ってやってきたフランスで、ブドウ畑の中を息子と散歩していると、今ここにいる事がとても不思議に思えてくる。これからずっとフランスで暮らしていくのかどうかは、ビザの問題もあるので未定だけれど、ゆったりとした時間の中でのシンプルな生活が気に入っている。もちろん、時々日本が恋しくなったりもするけれど、口当たりのいいシャンパン（日本ではとても高い）を飲んだり、美味しいパンやチーズに出会ったりすると、まだまだ帰れないなという気持ちになる。</P><P>大阪生まれの夫は、ここでの田舎暮らしがとても気に入っているようで、出来るだけ長く滞在し、まだ勉強したいようである。私は、家族が一緒であれば、日本でもフランスでもどちらでも構わない。だた、この貴重な時間を大切にしたいと思う。いずれ息子から手が離れたら、また働きたいとも思っている。そのために、フランス語をもう少し強化したい。人生、いくつになっても学ぶことばかりである。いつか、父親の背中を見て育った息子も、ブドウ畑で働く日がくるかもしれない、と思う日々である。</P><P>　<HR></P><P><CENTER><A HREF="../51english/katayose51e.html">English<BR></A><A HREF="../51english/topic51">Topics<BR></A><A HREF="../index.html">Index</A></CENTER></P></BODY></HTML>