札幌大学国際文化フォーラム
Page 11

それから、セミナーと講演会は、姉妹都市関係が結構あるのですけれど
ただやはり90年代初めまでは、姉妹都市友好や、交流、親善だとか、
初めの方はそうだったのですけれど、やはりそこから一歩出て、
そして経済関係をもっと発展させようであるとか、
お互いに本当にそれぞれの地域の会社が貿易を通じて結びつく、共通の問題について話し合う、
そういうことが盛んになりました。エアロポリス・プロジェクト・セミナーというので、
エアロポリス関係、空港関係の新千歳空港ができた頃ですね、あの頃に色々なのがありました。

それから、今はなくなってしまいましたケアンズ札幌便などが就航したり、
そういう新しいルートが就航するときに、そういったセミナーなどが多いのですけれど
千歳空港をアジアのハブ空港にしようというプロジェクトのとき、まだ大学に勤める前ですけれど
かかわったことがありまして、今でも千歳空港に行くと、地下の駅など、
ああ、これはこういう議論の末にこうなったものだわと、そういう懐かしい思いがする事があります。

実はそのとき「タクシーウェイ」という言葉を私が知らなくて、それを皆さんの前で訳すようになって、
てっきりタクシー乗り場だとばっかり思っていましたら、滑走路の続きの誘導路のことでした。
どうしてこんな真ん中にタクシー乗り場があるのかしらと内心変だと思いながらも、
絶対タクシー乗り場だと思って訳しましたら違ったというのがありますし、
ランウェイというのが滑走路ですよね。それを私はランウェイだと思って
いたのですが、一緒に仕事をしたパートナーがランナウェイと発音していたので、
その方の方が英語がお上手な方なので、ああそうかランウェイは間違いでランナウェイと言うのだ、
なるほど勉強になったわと思っていたら、
ランナウェイというのは逃亡者のことでミスだったのです、その方の。

あと次、国連調査研究セミナーというのは、これはやはりラムサール関係の方で、
ラムサールの会議を開催したことで釧路というまちが世界的に有名になったのです。
そういう環境、それから渡り鳥だとか、湿原、
そういう分野の専門家たちの間ではすごく有名な土地になって、
国連がそういう訓練セミナーを開くようになりました。

ただ、これもつらかったのです、国連用語がいっぱい出てきまして、
国連用語の英語が難しいのではなくて、
日本語に訳したのがお役所風のかたい訳をする方だったのか、日本語がすごく難しいのです。
かたい日本語を続けて、てにをはでくっつけていっているうちに何のことかわからなくなるような、
ちょっとつらい通訳があったものでした。英語で聞くと どうということのない単語でも
漢字がたくさんつながった意味不明の言葉になっていました。

それから、環境戦略研究、外資系企業誘致するセミナー、
これは札幌市よりも北海道の方が熱心なものです。
ついこの間も同時通訳がありました。
昔は苫東に企業を持ってこようとか、そういう話が多かったのですけれど
このごろはやはりソフト関係ですとか、ハイテク関係で、そういった関係企業のセミナーがふえました。
こういうハイテクですとか、ソフト関係ですと、そういうローカルだとか、
セントラルだとかという観念なしにできるものなので、
アメリカでもシリコンバレーのほかにシアトルなどがそういう中心になっていますけれど
札幌もそういう面で生かしていくと、地方というもので不利になることがないと。
これで、かなり興味を持っている方たちがいました。
そして今回は、商談会は一般通訳の方が担当してくださいましたが、
全体会議を同時通訳が担当しました。

それから、EUなどの関係でユーロ関係のものも幾つかありました。
次、会議なのですけれど、会議というのは特にしょっちゅうここでやっているのが
北方都市会議の幹事会です。
これは中国語やロシア語も入って大きな会議のときには英語、日英だけではなくて
北海道ではあまり多くないリレー形式になることもあります。
そういう場合は日本語が核になって、それを聞いてまた違う言葉に直すと、そういうやり方をします。

それから、もう少し下にいって世界砂糖生産者会議というのがあったのですけれど
これが私がオーストラリアに3年間住む前の話で、この時はニュージーランド英語ですとか
オーストラリア英語というのがわからなくて、
サトウキビの生産の関係でインドの方たちも発言したりして、聞き取りに繰ろうしました。
英国系の英語が得意な人とアメリカ系の英語が得意な人、いろいろあるのですけれど、
ブースの中の2人ともわからなくて沈黙、絶句をしてしまいました。

そういった国でも都市で働く方ですとか、かなりブリテッシュイングリッシュに近い方もいるのですけれど
現地でそういう直接携わる方が発言される場合などは、本当に何を言われているかわからない。
そのときはさすがにこういう弁解は厳禁だとわかっていながらも、弁解をしてしまいました。
「どうして絶句したの」と主催者に問い詰められて。
英語関係者でなければあまり発音の違いはわからないのかもしれませんね、何系の英語だとかは。
英語は英語だとして聞こえてしまうのでしょう。
「実はあのかたの英語は、ちょっと訛りがあるものですから」という言い方をしてしまって、
今でも反省しています。
なまっているのではなくて、個性のある英語を理解できない自分が悪かったと。