長野のプレオリンピック、プレパラリンピック、
それから長野オリンピックとパラリンピックでは会議を担当してきました。
このときは、やはり参加の国の数が多いので、
逐次とそれから同時通訳をまぜながらなのですけれども、
同時通訳装置というのはそんなにありませんよね。
長野市内だけではなく白馬の方でアルペンが開催されていたり、
それからパラリンピックのときはパラリンピック村の方で会議をしたのです。
そこで無線を使うのです。
「がーがーがーがー」という雑音混じりの無線を使って同時通訳をするわけです。
全部が英語をわかる国ではないので、
今度その無線を聞きながらロシア語の通訳がロシア語のテーブルで、
また中国語の通訳とかそういうふうに、
ああいうふうにマイクと無線を使って通訳をしたのも初めてでした。
さて、2000年代あるいは21世紀になったらどうなってしまうのでしょう。
もうテレビ会議が主流で、人が集まって会議をしなくなるのでは
という話もありますが。
実際、この間と去年もあったのですけれども、札幌で開催されているシンポジウムに
北欧やヨーロッパ、アメリカの伊達学からパネリストず衛星で参加するというのが。
だた、そういう場合の通訳は、まだ音声がよくないので、すごく聞き取りづらいのです。
多分これからそういうのがふえていくのではないかとは思います。
インターネット会議などで本当はみんな通訳者も家にいて、参加者も家にいて、
それぞれの国でそれぞれの自宅から会議に参加して
通訳もできるというふうになれば楽なのにと思いながらも、
そうなればいわゆるヒューマンタッチがなくなるのかしらと思ったり、
東京や香港やニューヨークやスイスの一流通訳者だけが生き残り、
地方で通訳をしている者は排除されてしまうのではないかという気もします。
また自動通訳機というのが出てきて、もう通訳者自体要らなくなるのではないか、
という人もいます。
今から10年前には、携帯電話でインターネットができるものが一般化するとは
誰も思っていなかったところを見ると、ひょっとして10年後ぐらいに
できてしまうのかもしれないですよね。
翻訳機は、ある程度の値段のものを使うとそれなりの訳はできるようになっているそうですが。
ただ、今野段階ではやっぱり機械は機械なので、
人間がプルーフリードをして自然な言葉に直しているらしいのですが。
よく使われる例が、「ブッシュ大統領が大統領だったころの翻訳機は
『ヤブ大統領』と訳していたよという話もありますし、
もちろん、私たちの日本語も文法どおり話していないのと同じで、
外国人の英語も文法どおりとは限らないから、そういうのは全然とらえられないらしいです。
清く正しい英語だけを清く正しい日本語に直してくれるという感じで、
日本人が後でチェックをしなければいけないみたいです。
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