札幌大学国際文化フォーラム
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それから、訳の様式の方にいきますけれども、 アドホック通訳というのをお聞きになったことがありますか? アドホックというのはその場に応じてという意味らしいのですけれども 一番の特徴はこうやって言ってますけれども、で今度答えを聞いて、 ああこうやって言ってますという感じで、 その場だけで必ずしも本格的な通訳ではなくて、訓練をうけていなくても、 英語を話すひとがちょっと訳してと言われたときにするものも含めます。 それから逐次通訳。 これが普通ほとんど占めるのですけれども、メモをとる場合が多いです。 メモをとって通訳をする。 逐次の一種なのですけれども、サマリー通訳というのは要約をするということ。 大体でいいよとかと言われるのです。この間もどこかの使節団が来て ある札幌の経済団体の偉い方が「大体でいいよ、長いの嫌いだから」と 結構ご自分は長いスピーチとか、挨拶なさる方なのですけれども、 そういうのに限って人のを聞くのが嫌なので大体でいいよと、 でもこうきっちり正確に全部訳せるというのを目指している私は、 訳し過ぎないようにというのを自分で気をつけて気をつけて、 後で「ちょっと長かったでしょうか」と言ったら 「ちょっとね」と言われましたけれども、結構これも難しいものですね。 それからウィスパリング同時通訳。シャドーイング通訳という人もいます。 シャドーイングというのはボクシングで相手がいないのにこうやってシャドーイングする、 あれから来ています。 通訳訓練のシャドウイングは、日本語または英語を聞いて、 数語遅れで、聞いたままリピートするものです。 シャドウイング通訳はウイスパーリング通訳とも言います。 ウイスパーリングはささやくということですから。 これはもちろん同時通訳をするほどの外国人の数がいないとき、 普通1人か2人なのですけれども、予算がない場合は三、四人をこう前に並べて そこでひそひそと、4人ぐらいになるとひそひそではなくてちょっとざわざわとしますけれども そういう感じで、そこだけに聞こえるように。ただこれはレシーバーも使えないですし、 周りで雑音もあるし、結構難しいのですけれども、 今札幌大学の通訳講座の学生はこれまでできるようになっています。 1年間いろいろな通訳をやってきて、本格的な同時通訳はまだですけれども ウィスパリングができるようになっています。 これは後で勉強方法のところでご紹介しますけれども、 訓練法のシャドウイングとともにふだんの暮らしの中でも使えるものなので、 英語力の向上にもなると思います。 それから例えば何かの展示会とか発表会のときに、 ナレーターがいて、もう英語の原稿もあって、そしてそれをかぶせて言っていくと、 そういうのもありますし、あとビデオなどのナレーションの通訳もあります。 |