01-3.選挙法上の住所
 最高裁昭和35年3月22日第3小法廷判決
 - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -   <<そもそも住所は複数あってもいいのか。>>   かつては複数の住所を認めることは法律関係を混乱させるとの  理由で、住所単数説がとられていたが、人々の生活関係が多様化  した今日においては各種の法律関係に応じた複数の住所が認めら  れるべきであり、そのほうがむしろ法律関係を明確にするという  法律関係基準説がとられ、学説の大勢である。  - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -  <<選挙法上の住所とは>>   そのものが営んでいる生活関係について必要としている場所的  要素と、そこで費やしている日時の配分の多少にかかわらず、  その場所を生活の本拠と定める定住の意思と、事実上その生活を  営み得る居住状態が存在し、かつ可能な限りその場所で生活して  いることが客観的に確認できる場合は、そこがその者の住所で  ある、といえる。  - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -  コ メ ン ト   確かに現代では、生活の本拠と呼べる場所が複数ある場合が  増えてきている。そして、各人の生活それぞれについて成立す  る法律関係において、住所はそれぞれ存在する。という考え方も  納得できる。    ただ、なぜ最高裁がこれら住所認定に関する基本的な論点に  ついて明確な態度を示していないのか、さらに選挙法上の住所の  定義についても明らかにしていないのかという疑問が残った。  - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
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