05-1.交通犯罪捜査の事務の帰属
最高裁昭和54年7月10日第三小法廷判決
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
事実の概要
昭和41年12月29日早朝、原告Xの長男Aの運転する
自動車が対抗車線を進行してきたB運転のタクシーと衝突し
Aは即死した。事故発生後、世田谷署の署長(警視)、交通
課長(警部補)が捜査を開始しAの一方的な過失によるもの
であると発表し、新聞、テレビでもそのように発表された。
Aの両親である原告Xは、事故はAの一方的な過失ではなく、
むしろタクシー運転手Bがセンターラインを越えてAの通行
区分帯に入ってきたために発生したものであり、警察官が故意
に実況見分調書に虚偽の記載をして、報道関係者に事実と反
する発表をしたため精神的損害を被ったと主張して国および
東京都に対し国家賠償法1条1項に基づき損害賠償を求めた。
第一審、第二審とも警察官らの過失を認め東京都に対する
損害賠償請求は、一部認容したが国に対する損害賠償責任に
ついては棄却したので原告Xはこれを不服として上告した。
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
争 点
1 都道府県が設置した都道府県警察の公権力の行使による故意、
過失によって他人に損害を与えた場合賠償責任の帰属主体は
国or自治体のどちらであるのか。
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
← 前のページへ / 一覧に戻る / 次のページへ →
|