近代哲学入門 handout#1
2005年4月8日
〜春学期を通してどんなことを勉強するのか〜
この講義では「心身問題(Mind and Body Problem)」という哲学上の問題を扱います。
心身問題と言うのは、簡単に言ってしまうと、人間というのは「心=精神」と「身体=肉体」の2つの要素から構成されているという考え方です。昔から「健全な心は健全な身体に宿る」なんて言われて来たところを見ると、古来人間は、自分たちの身体の中には、肉体とは別の何か捉えがたいもの、つまり「精神」と言うべきもの(魂と言ったりもします)が宿っていると考えてきたようです。
講義を通じて詳しく見て行きますが、この漠然とした認識を整理して「精神と肉体は全く違った原理で存在している別々の実体なんだよ」だから「人間を知るためには、この2つの実体が人間の中でどう関係しているかを知らなければならないんです」と主張した哲学者が、17世紀(今から400年ぐらい前)のヨーロッパにいました。その人の名をルネ・デカルト(1596-1650)と言います。
近代哲学の父とも言われる哲学者です。講義では、このデカルトの人間観を解説しますが、そこにはコンピュータ時代に生きるわれわれにとっても興味深いいくつかの問題:たとえばCPって本当になにか考えてるの? 人間の思考とCPの思考はどこが違うの? 人間以外の動物は考えてないの?・・等々、さまざまな議論の基礎になった考え方が表明されています。
【注意事項】
*単位は2単位です
*評価は基本的に期末レポートを対象とします
*講義への取り組みは皆さんの自主性に任せます
*原則として講義の前日までに以下のURLに講義内容(全文)を掲載します
http://www.sapporo-u.ac.jp/~taka1/
*必要だと思う人は上記をプリントアウトしたものを講義に持参してください
*これを読んでいただければ、基本的なことは理解できると思います
*実際の講義は、WEB掲載講義内容の「解説」と「質問」によって進めます
*決められたテキストはありませんが、必要な参考文献などはその都度、WEBまたは講義内で紹介します |