<!--This file created 00.7.8 5:36 PM by Claris Home Page version 2.0J--><HTML><HEAD>   <TITLE>hondou26j</TITLE>   <META NAME=GENERATOR CONTENT="Claris Home Page 2.0J">   <META HTTP-EQUIV="Content-Type" CONTENT="text/html;CHARSET=x-sjis">   <X-SAS-WINDOW TOP=42 BOTTOM=613 LEFT=4 RIGHT=534></HEAD><BODY BGCOLOR="#FFFFFF"><P><CENTER><B><FONT SIZE="+2"COLOR="#AF0000">住民投票が残した課題</FONT></B></CENTER></P><P><CENTER><B><FONT SIZE="+2"COLOR="#AF0000">吉野川可動堰建設問題</FONT></B></CENTER></P><P ALIGN=RIGHT>２年　本堂朗</P><P>　　建設省は、国の大型公共事業として、1030億円の予算で徳島県の吉野川に新たに可動堰を建設する計画を明らかにした。現在は、約250年前に築かれた固定堰が使用されている。この堰は老朽化が進み、大雨の際に決壊することが懸念されている。そこで、水害に備え、固定式から可動式に変えることで、川の流れがせき止められないようにするのが今回の計画だ。</P><P>　　ところが、住民の一部がこの計画に反対した。「環境破壊につながる」「今ある堰を補強すれば十分」「税金の無駄遣い」がその理由だ。反対派の徳島市民は、可動堰建設の賛否を問う住民投票の実施を求める署名運動を行い、１月２３日、徳島市の住民投票が、投票率が５０％を超えなければ開票しないという条件付きで、実現した。結果は、投票率５５％、うち反対票が９０％を超えた。徳島市はこの結果を受けて、市としても反対の立場をとることを表明した。一方の建設省は、「流域住民一部の意向」として、計画の中止はしない構えだ。</P><P>　　注目すべきは、推進派と反対派との間に、治水に対する考え方に大きな違いがあることだ。推進派は、１５０年に一度起こるといわれる大洪水に備えることを、建設賛成の根拠としている。反対派は、数百年前の先人から受け継いだ治水の英知をもってしても洪水を防げなければ、そのときは、自然の力を前に諦めるという考えだ。互いの理解がなければ、この問題が解決に向かうのは難しい。</P><P>　　ところで、国の大型公共事業に対する住民投票が行われたのは初めてだが、今回の投票は、住民が政治を政治家だけに任せるのではなく、自分たちの手で行おうとする積極的な市民がいることを目に見えるかたちで示した。また、反対の理由として挙げられた「税金の無駄遣い」は、「地元に金が落ちればよい」という考えが変わりつつあることを伺わせた。この住民投票は、市民レベルでの活動のモデルの一つを示した画期的な出来事といえる。</P><P>　　反面、問題も残った。今回の住民投票における最大の問題は、投票の行われ方にある。投票率が５０％を超えなければ開票しないという異例の条件が付いたこともあり、反対派住民らは街頭で「反対に一票」を呼びかけてきた。その一方で、推進派住民らが「投票拒否」を決め込み、投票にいかないよう呼びかけた。自らの意思で投票権を行使した推進派もいたが、この２つの運動は、当然、５５％という低さに反映した。全体の９０％以上が反対票という今回の投票だが、果たしてこの結果は建設中止の決定打となり得るほどのものだっただろうか。</P><P>　　さらにこれと関連して、住民投票が徳島市でしか行われなかったのも問題だ。吉野川は二市六町を流れている。したがって、この川の治水は建設省と徳島市だけの問題ではない。特に、建設現場に近い三つの町は洪水が起これば被害は必至であり、徳島市と同様の住民投票が行われなければならなかった。過去にも原発建設計画に対する住民投票が行われているが、いずれの場合も、国の方針として一地方自治体のみの実施だった。周辺の自治体においても同時に投票を行うことは出来なかったのか。</P><P>　　吉野川の可動堰建設計画をめぐる一連の動きは、取り組むべき課題を残してくれた。市民の政治への参加、地方自治体の意思の尊重、行政そのもののあり方などについては、今後繰り返し議論される必要がある。時代は２０世紀から２１世紀への転換期を迎えている。このことは、世紀が変わるということだけではなく、社会のあり方もまた、新たなものへと変化しなければならない。日本の行政にも、新たな方法の模索が望まれる。そしてまた、自然との共存という永遠の課題にも、目を向ける必要がある。</P><P><CENTER><HR><A HREF="hondou26j.html">English</A></CENTER></P><P><CENTER><A HREF="../26english/26topics.html">Topics</A></CENTER></P><P><CENTER><A HREF="../index.html">Index</A></CENTER></P><P><CENTER>　</CENTER></P><P><CENTER>　</CENTER></P></BODY></HTML>